20240808 イランの知謀とG7の失着

日曜日でしたかね、ブリンケン米国務長官がG7関係国に「イランは24〜48時間以内にイスラエル攻撃を開始する可能性が高い」との情報を流したと報道されました。すでに日本時間で今日が木曜日。その情報は間違っていたというか、誤った予測であったことになります。

 

ちょっと冷静になって考えてみましょう。イランは、ハマス幹部がテヘランで暗殺されたこと受けて、仕返しするのが義だと最高指導者が発言。先頭準備に入ったとの報道が盛り上がりました。

 

イスラエルは犯行声明を出さず、イランが攻撃してくるなら思い知らせてやるとのネタニヤフ発言がありました。これが先週です。イランはいつ、どこを空爆するんだみたいな憶測記事が大量に発信されたわけですが、今まで我々が学んだことは、日本にいて目にする報道というのは西側G7の統制化にある、出会って、ということは西側G7はイランが攻撃してくれれば反撃が正当化される。早く攻撃してくれ。そうすればアメリカもNATOも巻き込めるぞ、なのか。とすれば西側G7の統制と我々が考えていたのは、実は突き詰めればイスラエルだったことにならないか。

 

イランは、いかにも攻撃するぞの体制を維持しながら、不気味に沈黙しています。が、外交的には動いていて、例えばロシアのショイグがイランを訪問、ヨルダンも外相をイランに派遣。これでロシアとアラブを敵に回したくないG7は前に出られなくなりました。中国が改めてイランとの連携を公表、エジプトはおそらく中国経由でしょう、イランに攻撃されてもイスラエルを助けないよとの声明。これでますますイスラエルの孤立が鮮明になってます。イギリスはもうこれ以上イスラエルへの武器提供しないと発表。また未確認情報ですが、アメリカさえもイランがイスラエル攻撃しないと決めるなら経済制裁を解いても良いとイランに伝えたとの噂が出てきています。

 

これだけの外交成果を上げたのであれば、もうイランがイスラエルを攻撃する意味はほとんどなくなりました。後はイスラエル国民がネタニヤフ政権を見限って、何らかの形でこれを放逐する段階に入ったのではないでしょうか。

 

そういえばウクライナ軍がロシア国境を突破してクルスクまで侵攻したようで、驚き慌てたプーチンが軍上層部と行った緊急会議の模様がXでも流れ始めました。わかりやすい茶番だと思います。「驚き慌てたプーチン」「軍上層部との緊急会議」をわざわざ動画で流す政府がどこにありますか。これもサインで、おそらくウクライナ戦争が最終段階に進むのでしょう。

 

そんな中、(おそらく指示により)長崎市長イスラエル代表を長崎平和式典に招待せずと決定し、これに反発したイギリス・アメリカ・フランス・オーストラリア・カナダ・イタリアの6カ国が代表の欠席あるいは代理人出席への変更を伝えてきたと言います。ドイツ入ってないねと思ったら、欠席通達の前に長崎市長に送られた抗議文書にはドイツとEUの大使も署名していました。

 

これ面白いですね。ハブられたイスラエルが仲間にお願いして文句を言ってもらっているのか、英米が自主的にやってるのか。ふと思ったのですが、ボスはイスラエルなのかなと。お前らも長崎市長に文句を言え!出席ボイコットしろ!と命令されて渋々英米が欠席するのだとすれば、これはまた世界の構造が一つ、見えたなという感じもします。