20240304 NHKの東京マラソン報道

昨日夜7時から久しぶりにNHKのテレビニュースを見る機会がありました。いや、驚きますね。

 

①雪崩に巻き込まれ一人重体

②在宅避難への支援に課題(能登

金門島付近で中台に緊張

東京マラソンウクライナ元兵士

⑤早ければ3日から停戦交渉(ガザ)

 

というラインナップなんだけど。これ、誰が決めているのでしょうか。夜7時のNHKニュースは週に1回は見ている気がしますけど、まあ大体、トップニュースは子供を殺した若夫婦とか、どこかで火事が起きて燃えているとか、今回のスキー場で雪崩が起きてスキーヤーが巻き込まれたとかいう「事故もの」「事件もの」、最近多いのは能登半島で被災した人たちが進まない復旧の下で頑張っているという「被災者ドキュメンタリーもの」、今日は暑かった来週も暑いぞみたいな「天候もの」、盆と正月には高速道路が渋滞するぞというような「風物詩もの(これは渋滞状況の実況も行う場合が多い)」だなという印象があります。昨夜も、この法則に従って、雪崩に巻き込まれ一人重体、が堂々トップを飾りました。2番目は被災者ドキュメンタリーでした。これニュースじゃないでしょ。

 

金門島というのは中国本土、福建省の沖合にある台湾の離島のことで、こんなところに台湾領があること自体が驚きなんだけれども、その周辺に中国ほんどのコーストガードの船が頻繁に現れるようになった、という内容で、それはもう、こんなに本土に近いんだから当然なんじゃないのかと私は思いますが、ニュースでは、緊張が高まっていると煽ります。いずれ台湾有事を出してくるのかもしれませんが、その伏線としか思えない。

 

東京マラソンに至っては、順位とかオリンピック候補の選考はどうなったのかは二の次で、ウクライナから片足の元兵士が参加したことをドキュメンタリータッチで何分も割いて伝えてるんです。ご丁寧に、ウクライナの自宅での様子まで動画に織り込んである。準備してきて放送してるんだからこれもニュースじゃないでしょう。なぜこれを流すのかといえば、当然ながらロシアは酷い、ウクライナはかわいそうだ、でも頑張っているという刷り込みですね。

 

非常に芸が細かい。そしてしつこい。ただ、内容は陳腐で、自然災害は起きるしロシアや中国は残忍だ、庶民は大変だ、でもみんな頑張って生きているんだ、という世界観を繰り返し繰り返し日本人に叩き込んでいる。考えてみれば、おしんの時代から変わらないね。世界は厳しいんだ、でも精一杯生きるんだ。そんなメッセージを送り続けるのが公共放送の役割なんでしょう。世界はどこかおかしい、何か変えなければ、とは言わない。

 

多分、今日の夜7時も、事故か被災者か風物詩か天候がトップに来るぞ。斜めに見ないとね。