20240706 争点としての神宮外苑

都知事選について書く頻度が高くなってしまっていますが、正直かなり面白いです。と都民の私が無責任に言ってしまって良いのか反省もありますが、まさに混沌状態。しかも確実に結果が出るという。プロレスだったのが、少し総合格闘技に寄ってきた感じでしょうか。

 

昨日、新宿で行われた小池の街頭演説はそもそも聴衆が(新宿にしては)少なく、その中に反対派が何十人かプラカードを持って参入し、やめろとか騒いで小池が演説を中断することになりました。動画が出ています。反対派は当初少数でした。が、やめろコールは自然発生的にどんどん大きくなって、ついにその場の空気を支配するに至ります。すごい動画です。ああ、革命っていうのはこうやって、「言ってもいいんだ」と羊群が思った瞬間に爆発するんだろうなと思わされます。都民心理の地下マグマは反小池であり、「それは言ってはいけないことになっている」との呪縛で抑え込まれている状況が、おそらく崩れ始めているのでしょう。

 

蓮舫は子供を増やせば控除が増えると言っていますが、その制度は民主党が廃止し、当時の担当大臣は蓮舫だっただろと突っ込まれています。嘘をついているというよりは、自分が何をやってきたかを理解していないのだろうなと思わせられます。

 

石丸はSNSに街頭演説の画像をアップしているけど聴衆は明らかにコラ。彼についてはいくつも言いたいことはありますが、一つ挙げれば僕を選んだら僕が何をやろうと選んだみなさんの責任です、という彼のスタンス。選ばれた以上は何やってもOK、選んだあんたたちが悪いんだからねと。何かに似ていると思ったら、新NISAお得ですよと勧めてくる金融機関に変な外貨建て投資信託かなんか買わされて、損が出て文句を言ったら自己責任で投資されましたよねと言われる、あの感じ。そういえば石丸は三菱銀行出身だとか。あっちの方の発想だと思う。共感できません。

 

田母神さんも憲法改正を言わなければまあまあなんだと思うのですが、もう一つありました。神宮の100年の森を守っていかなければいけないと。あのね、それ内苑のこと言ってない?今、問題になってるのは外苑だよ。あなた保守を自称しているけど神宮に内苑と外苑があって、場所が離れてるからわかりにくいけど明治天皇崩御の際に全国から寄せられた苗木を植えて自然林として育ててきたのは内苑だって分かってるよね。外苑には森はありません。大丈夫だろうか。

 

神宮外苑の開発はこれまた面白い展開で、今までひっそりとできるだけ目立たないように動いてきた事業者が、これやばいと感じたのか次々に声明を発表して姿を公にしてきました。数日前には伊藤忠。反対派が伊藤忠の所有するレストランの外壁か何かにスプレーしたのが気に食わなかったらしい。会社として、外苑開発は必要なんだとついにアピール。そして昨日は三井不動産。高層ビルを建てなければ神宮球場の建て替えはできないんだぞ、として再開発の正当性を主張。

 

確かに、神宮球場秩父宮ラグビー場の建て替えを考えるなら、所有者(宗教法人明治神宮)がちゃんと減価償却分をキャッシュで積み立てとけばよかっただけの話。それをやってこなかったので自力ではどうにもできず、そんな窮状につけ込んで開発業者が「良い話ありまっせ」って感じで提案して実現しようとしているのが今の案でしょ。そもそも明治神宮なんだから、東京都か文科省が建て替えの資金援助しても良いと思うんだけど、三井不動産は都庁から天下りを受け入れたりして、まあ、やりたいんでしょう。事業を。都庁の裏に隠れてうまく儲けるつもりだった業者が今になって名乗りを上げて事業の正当性を主張し始めたのは、小池落選の可能性が現実味を帯びてきたことと無関係ではないでしょう。防波堤の消失に備えて予防線を貼り始めたと。遅いと思うよ。

 

伊藤忠三井不動産、そして東京都。儲けること、金を回すことばかり考えて、不効率でも愛されている空間を残していこうという発想は絶無。醜い話です。でも根本的にだらしなかったのは宗教法人明治神宮で、ボーッと生きてるとこうなるんだろうな、私も気をつけよう、などと思ったりしてます。将来明らかに必要なお金は準備しておくこと。