20240331 ヒトより多い鶏

今朝もざざっといろんなサイトを見て回りましたが、大きなニュースはないようです。紅麹は相変わらず炎上しているし、NTT法の改正も問題含み(外国資本による通信インフラ乗っ取りを許容する内容)、WHOパンデミック条約の締結迫る、など無視できない事案は多々ありますが、それはすでにいろんな方が鋭く論じておられるので、私が加えて語れることはありません。

 

そんなことなので、時事性はあまりないですけど、ずっと気になっていたことを少しまとめてみたいと思います。養鶏場の火災のことです。

 

時々、養鶏場の火災が報じられることがあります。そういうニュースが出ると、陰謀論者はディープステートが食糧危機を招こうと暗躍している、空中から指向性兵器によって火災を起こしているのだ、と解説します。また、鳥インフルエンザが起こったので何万という鶏を殺処分にするのだ、とのニュースも時々出てきます。防疫服を着込んだ人たちが薬を噴霧したり大きな穴を掘って恐らくは殺された大量の鶏をそこに放り込んだりしている動画がテレビで流れます。私も、養鶏場とか畜産関係の火災や病気処理は結構多いなあと思っていました。

 

一番最近のニュースでは、今年の3月5日、三重県津市の養鶏場で火災が発生し、飼育していた22万羽の鶏のうち5万余が焼死したと。5万羽ですよ。

 

Hope for Animalsというサイトで、1年ほど前に掲載された記事に、当時の鶏舎火災が紹介されています。

2023年1月15日 愛知県半田市 1万8,000羽

3月9日 鹿児島県薩摩川内市 1万羽

4月X日 茨城県小美玉 15万羽

ほぼ1〜2ヶ月ごとに、数万羽の規模で鶏が焼死しているということになります。やっぱり多いと思う。他に、養豚場や牛舎の火災も結構起きていることがその記事に書いてあります。

 

日本全国で飼育されている鶏は畜産統計によれば採卵鶏が1億8千万羽、食用のブロイラーが1億3千万羽であり、乳用牛137万頭、肉用牛261万頭、豚894万頭に比べて圧倒的に多い。この数字を初めて見て、そうか、この列島には我々ヒトの人数の3倍の数の鶏が生きているのねと思いました。うち6割はヒトのために卵を産み続け、うち4割はヒトのためにその肉を提供するために生きている。

 

採卵鶏とブロイラーを合わせて3億羽。そう考えれば火災で数万羽が焼死したとしても全体の中での比率は小さく、すぐさまそれが食糧危機につながることはないだろうとは思います。しかし鶏とはいえ、命であることには変わりはなく、ギュウギュウに詰め込まれた鶏舎の中で燃え盛る炎に身動きも取れず焼け死んでいく姿を想像すると心が痛みます。

 

ちなみに上掲Hope for Animals 記事によれば畜舎の火災は最近増えたわけではなくて継続的に年間100件のペースで起きており、原因は電気系統が3割強でトップ、放火も3%くらいあるようです。電気系統に関しては、ネズミが電線を齧り、裸になった銅線から飼料の藁などに引火するイメージだそうです。当然ながらDEWによる攻撃、なんていう項目は出てきません。

 

本件について、私に何か言いたいことが明確に纏まっているわけではありません。ただただ寂寞たる思いがします。うまくいえないですけど、この世はヒトに都合の良いように作られ過ぎているのではないか、そんな感覚を持ちます。本来の鶏や牛豚の暮らしってどんなものだったのだろう、と考えたりします。恐らく、畜舎に閉じ込められることもなく、電気系統に囲まれることもなく、無理やり卵を産むこともなく、まして潰されることも稀だったでしょう。合掌。