20231203 陰謀論とパラダイム転換

昨日の続き。勉強しながら書いてます。。。

 

ヒトはこれまでに積み重ねた知識(レキシコン)をこれまでの経験で得た構造(スキーマ)で整理し、その枠組みで目の前の事象を解釈する。そのスキーマが優秀であればあるほど、新しい知識がその構造に取り込まれて知識量は飛躍的に増えていく。しかし、どのようなスキーマも万能ではなくて、そのスキーマでは説明できない事象が目の前に現れた時、ヒトはそれをどう解釈するかの判断を迫られる。スキーマを変更することを認知心理学の用語で「再構築化」とか「概念変化」と言うらしい。で、これってすごい難しいことなんだってさ。今まで正しいとされてきたことを一旦全否定するわけだから。例えばユークリッド数学から非ユークリッド数学へ、天動説から地動説へ、ニュートン物理学から相対性理論へ。てことは、ヒト個人について言えばスキーマの変更だけど、そのスキーマを社会全体で共有しているなら、それはパラダイムということだろうから、個人がスキーマを変更して、そういう個人が増えてきたら、それはパラダイムの転換ということになるね。

 

概念変化つまりパラダイム転換はどのようにしておきますか。今井むつみさんは「人が学ぶということ」という書物の中で、化学的発見を例にとって次のようにその過程を表現しています。①現在の理論では説明できない、あるいは矛盾する現象(アノマリー)が存在する。②アノマリーの数がどんどん多くなり、現在の理論が危機的状況に至る。③新しい仮説が形成される。④新しい仮説を検証するための実験がデザインされ、実験の結果に基づいて新しい理論が形成される。⑤新しい理論が受け入れられ、古い理論が捨てられる。

 

この整理は、今の世の中に当てはめることができるような気がする。政府が毒チクワを強く推奨した。この現象は、政府は国民のために存在するというスキーマに当てはまらない。日本政府は減税を拒み自分達は給与を上げている。これも国会議員は国民から選ばれて国民のために政治活動をしているというスキーマから外れている。ユダヤ人が建国したというイスラエルはガザでパレスチナ人たちを虐殺している。このことは、ナチスホロコーストに遭ったユダヤ人たちは平和を望むかわいそうな民族だというスキーマに当てはまらない。

 

他にも、これまで地球人類の大多数が共有して(させられて)きたスキーマでは解釈不能な事象が次々に起きているのがこの数年間だ。だから、それを解釈し直すための仮説が次々と提出されている。既存スキーマパラダイム)をフル活用していい目を見てきた勢力にとって、それは不都合なことだろう。新しい解釈仮説が出てくるのは基本的には良いことだと自分は思いますが、実際には「陰謀論」というレッテルを貼ってその仮説の展開を阻もうとする力学も働くわけだ。

 

わたしは、こう考えると、この数年間は既存のスキーマパラダイム)が新しいものに更新される過程に思われます。どの仮説がより説明力が高いのか、それを見極めることが大事だなと。田中宇さんはあくまでヒト世界のメカニズムでこれを解釈しようとしている。藤原直哉さんはヒトを超えた存在も視野に入れて新しい解釈を進めようとしている。他にも色々な解釈者がいますけど(星占いの先生とか)、わたしは、まあ根拠はありませんけど、ヒトを超えた存在をも視野に入れた解釈がこれから大事になりそうな感覚はあります。みなさん、どうですか。下手に飛び込むと「スピ系」とか言われて怪しまれますけどね。