20240223 日経平均最高値

今朝の朝刊はこのニュースが大々的に一面を飾っているようです。昨日の木曜日、日経平均は3万9,098円まで上がり、1989年のバブル期に記録した最高値を更新したという内容です。

 

私は、いろんな経緯で多少の株式を保有してはいますが、値上がり値下がりはあまりにもわかりにくいので、これで利益を得ようとして売買することはありません。株式市場には非常に胡散臭い雰囲気を感じてきました。そこで、少しこの点について考えを整理してみたいと思います。

 

株式とは何かといえば、そもそもは会社を設立するためには資金がいるだろう、それを出してやると言ってくれた危篤な人に、それではお礼に利益が出た暁にはその一部を配当としてお渡しします。また会社の経営はあなたのお金の将来を左右するでしょうから、経営者はあなた(出資者)で選んでください。大事な経営判断は、あなた(出資者)の承諾なしにはいたしません。その権利を紙に書いてお渡ししますので保管してください。そういう証文ですよね。

 

ところが、出資者はその権利証文を売り買いし始めます。買い取った人物は、その会社の設立にお金を出したわけでも何でもありません。なのに株式を当初の出資者から買い取った瞬間に、経営陣の選択や重要事項の決定に参画できる権利を取得するわけです。本来、会社の設立に貢献してくれた出資者に対して感謝の意味を込めて権利を与える証文だったはずの株式が、市場で売買されることによって何が起きるか。株式を買い取りさえすれば、当該の会社に何らの貢献もしていない人物が、好きなように?意見を言い、また経営を左右する権利を獲得するというもので、まあ筋から言えば不思議な話です。

 

これを出資してもらった会社から見れば、自分達の経営の根幹に関する権利証書を、誰でも買ってください、買ってくれたら言われた通りにしますという条件で売りに出すわけですから、上場が目的だ、上場している会社は偉いんだなどと考えている経営者は気が違っていると私などは思います。しかし複数のあるいは不特定多数の権利者が目を光らせることによって会社は健全に経営されるのだという意見もあり、上場企業はそういう面では「信頼」に足るとされています。私は、眉に唾をつけて聞いています。

 

増税に次ぐ増税で一般国民の生活が疲弊してきたことが明らかな中で、企業収益は上がり、株価も市場最高値ということですから、これは何かおかしいと思わなければ常識人とは言えないでしょう。そこまでは直観でわかる。では何がおかしいのか。それを知るには若干のリサーチと思考が必要かなと考えます。

 

このブログ1回で詳しく私の考えを書き尽くすことはできませんが、まずは誰が買っているのか。報道では中国やアラブの富裕層が指摘されているし、外国人投資家が欧米含めてかなりいるようです。新NISAの効果で国内でも貯蓄から投資にある程度のお金が回ったようですが、どうも素人は銘柄を選べないらしくて投資信託の売上が増え、その投資信託は米国株を多く組み込んでいるとされます。

 

まあ、大体これで今回の株高のヤバさは知られると思います。今、株式を購入している人は投資先への思い入れなど何もない。いつでもサッサと逃げ出す人たちばかりだから、下がり出したら逃げ遅れた人がババを引く、そんなゲームが激しさを増したんだと見ます。むしろ、今、値上がりしていない株は何だろう。もし私が投資するなら、経営が安定していて株価が上下動していない企業に注目したいところです。でも本来なら、こんなインチキな仕組み(株式市場・金融市場)で資産を増やそうなんて考えない方が無難。日経新聞とか偉そうにしてますが、あれは要するに株屋の宣伝だと思っておけばば間違いない、と私は祖父に教わりました。