20231206 経団連は優秀な人の集まりではなさそうだ

経団連自民党に毎年24億円の献金をしているがこれはいかがなものか、との質問に対して、会長の十倉という人は「何か問題でも?」と回答したと報道されている。この人、卑しくも大企業の経営トップが集まると言われる経済団体連合会のトップですよね。ということは、現在の日本財界(っていう言葉がある)を代表する人物ですよね。その人が、自分はいかに馬鹿で無能であるか、これでもかというくらい発言してくれている。これもデクラスだと私は思いますが、そんな中で、ああ、これはそうだよなと思われることがあったので記しておきます。

 

上記の記事を取り上げた2チャンネル掲示板に「経済成長を指向しない経済団体トップ」という書き込みがあったんですよ。ピンときました。そうだよ、その発想は自然だよ。

 

消費税のことです。GDPはしょうもない指標だと言われ続けてはいますけど、経済の規模が大きくなれば良いことはいっぱいある。そして、経済を発展させるのは私企業だから、財界(という言葉がある)は経済成長を指向して頑張らないといけない。もしそこに不都合があるなら(公害とか)それは政府が規制する。そういう姿が普通だろう。そう思いませんか。

 

ところが十倉氏は、社会保障の負担も少子化対策の負担も消費税で広く薄く国民全体で対応しよう、という主張を繰り返しています。上がる一方の消費税を横目に、法人税は下げられ続け、非正規雇用は激増し、さらには輸出還付金とか言って輸出企業には巨額の消費税払い戻しがあることも知られてきました。これが経団連献金に応えた自公政権の政策の成果でなくてなんでしょうか。

 

で、十倉氏をはじめとする大企業経営者が本当にバカというかダメだなと思うのは自分達が経済成長を実現する当事者であることを全く認識できていない点。だって、GDPの6割は個人消費でしょ。個人消費が伸びる感触がなければ企業の設備投資もないでしょ。消費税を上げれば個人消費は落ちるでしょ。ということは経済規模が拡大どころか縮小するわけだから自分達の事業も伸びなくなるでしょ。こんな理屈は気の利いた中学生でも理解すると思うが彼らにはわからないみたいだ。自社の業績を上げようと思えば(それが経営者の役割)、消費や設備投資を活発化しなければだめだ。その阻害要因を取り払おうではないか。まずは消費税の減額または撤廃だ。そういう論旨があっていいはずだし、それは健全な考え方だと私は思います。

 

ところが彼ら(十倉氏を代表とする経営者の方々)は、消費税増税法人税を軽くしてもらえれば利益がたくさん出る。還付金ももらえる。労働者を安く使えれば経営は楽だ。そこのところで思考がとまっちゃってるんだよな、多分。そんなことを大企業がみんなやれば、それは今期の利益は多く出るでしょう。そこで何を犠牲にしているかといえ自分達の企業の商品やサービスを引き続き購買してくれる消費者の体力をガッツリ削いでいる、つまりお客さんを減らしているということなんだよね。お客さんを減らして今年儲ける。そんな程度の人たちが福祉を語り教育を語る。政治を語る。ていうか、仕方ないんだろうね。自分の会社の目先の利益「だけ」を考えるのが経営者の普通の姿。天下国家を理想や針路、大きな正論をではなく、利益代表として政治に接する以外の態度は取らない。そういう型枠で鋳出された人たちだろうから。

 

と書くとため息が出るばかりだけど、幸い十倉氏が中心になって精力的に「自分達はこういう者です」「自分達の考えはこうです」のデクラスを続けてくれているから、国民はいやでも理解し、別の道を歩み始めるに違いないです。藤原直哉氏がいう通り、霞ヶ関大手町永田町にはもうヒトがいない。あそこはみんななくなっていく。私の実感もそんなところにあります。意外に早いかもしれない。だって、ああだもの。