20231208 経団連に関してもう少し考える

別に私は経済の専門家でも財界通でもなく、普通のいち国民に過ぎませんので、情報源は新聞テレビラジオそしてネットと口コミに限られます。経団連に関して、何かを知っているわけでもありません。出てきた情報に基づいてあれこれ考えるだけです。だから、多分、小さくはいっぱい外しているでしょう。でも、大きくは間違えていないんじゃないかなと。

 

かわいそうな十倉氏。たまたまこの時期にトップにいたことによって、本音をポロポロ言わざるを得ず、立派な経済人の集まりだという幻想に包まれた経団連の人々の程度が全国民に知れ渡ってしまいました。前に、馬鹿だとかダメだとか書いてしまってごめんなさいという気持ちです。これは、十倉氏個人への感想ではなくて、経済人、財界人という人々全体の特性に関しての表現だと思っていただければ幸いです。

 

成功した(とされる)財界人は、たまに人生論みたいな本を出したりしますよね。京セラの創業者には「生き方」なんていうタイトルの著書があります。それなりに立派な内容のようです(未読)。そういうことから、会社を成長させた経営者は人格的にも頭脳の面でもとても優秀なんだ、という思い込みが生じる可能性がある。会社員をやっていると、どんなにおかしな上司、役員でも、一応は上役だからヒラは尊敬(するフリ)して従う必要がある。誰も注意しなくなると、おかしな上司、役員はどんどんおかしくなっていく。止まらない。そんな人が多いじゃないですか。

 

ただ、この人たちも頭の回転が悪いわけでは決してなくて、ある種の行動原理、思考原理に従って最適化を図っているフシがなくはないんです。加えてゴマスリが上手だったり、勘が鋭くてドジを踏まなかったり、下の人たちを煽てて働かせるのがうまかったり、ライバルの足を引っ張るのが上手だったり、ただ単に運が良かったりして出世していくわけですけど、共通した考え方が何かあるような気がしていました。

 

土光敏夫という人も経団連会長をやっていた。行政改革の委員会を任されてその人物像がメディアを通して伝えられてきたのですが、なんと普段の食事のおかずはメザシだと。こんな清廉潔白な人がいるか、立派な人ではないかと囃し立てられた。そして仕事に厳しいと。ああ、この辺から間違っていたんですね。みんなが真似しておかずをメザシにしたら経済成長なんてしないだろ。東芝の製品なんて買わないだろ。石播の製品も売れないだろ。それは土光氏もわかっていたと思う。ただ、それでもメザシを強調したのは、結局日本は輸出で食うしかないんだ、という信念からなんだと思う。言い換えれば、外国に安くて良い製品を提供するのが日本なんだ、だから日本人は安い給料で猛烈に働かなければいけないんだ、そういう考え方ですね。

 

十倉氏をはじめとする現代の経団連も、国民は辛抱しろ、というところはしっかり受け継いでいる。「おしん」なんてテレビの世界がまだ続いている。彼らの世界観て、そんなところにあるんじゃないですか。

 

国民が豊かになることを、経団連も、財務省も、アメリカも望んでいない。日本人は、その気になればものすごく豊かになってしまうということは1980年代に証明されました。しかしその時も平成の鬼平とかいう人(日銀総裁)も出てきて、徹底的に豊さを潰してくれた。それに対して経団連は何もしなかった。そう、彼らは内需を信じられないから、こんなことが長く続くはずがない、これはいけないことなんだ、やっぱり日本は輸出で儲けなければダメなんだ。

 

以上は全部、単なる雑感にすぎませんが、どうも、偉い人たちは、そういう昭和の固定観念から全く抜け出せていないところがあるように思います。終わってると思う。世代交代しないとね。