20231210 陰謀論の面白さ

私は陰謀論とか都市伝説が好きです。ああ、そういう見方もあるのだなと気づかせてくれる効果は新聞テレビラジオによる時事解説などより遥かに面白い。けど、陰謀論と一括りにしますが、その中には質の良いもの悪いもの出鱈目なもの真剣なもの様々ありますね。

 

例えばUFOくるぞとか2025年に地球人類は終わります、宇宙人がそう言ってます、みたいな書き込みは、これは陰謀論というより都市伝説なのかオカルトなのかわかりませんが、ああそうですかで終わってしまうからつまらない。質が低いと感じます。

 

矢部宏治さんの「知ってはいけない2」のまえがきは味わい深いなと思いました。2018年にトランプと金正恩による米朝首脳会談が行われ、南北朝鮮の分断は雪解けの方向性をはっきりと示しました。となると、日本を縛っている朝鮮戦争ジームも不要となり、日米安保協定や行政協定は撤廃あるいは見直しができる、戦時体制だから必要なのだという理屈で結ばれた米国の属国に等しい現在の日本の地位を引き上げ、晴れて真の独立国となる絶好の機会だったとのことです。これに対して当時の安倍総理大臣は、いや待て、臨戦体制を解くわけにはいけない、引き続き北朝鮮には圧力をかけ続けろと、世界の首脳の中で唯一、主張を続けたことを不思議に思わないか、という記述だからです。

 

著者の矢部氏はそのカラクリについて、書籍全体の中で語っています。自民党は戦時体制下で米国の指示の下、日本を統治する政党として存続してきたが、戦時体制が終わるとその存在理由が揺らぐ。そもそも日米間の密約は日本側で正確に引き継がれておらず、交渉すれば文書管理がしっかりした米国に連戦連敗である。だから引き続き米国にはいいように利用され、朝鮮戦争は終わったのに、それに備えるためとされた日本国内の戦時占領体制だけが長く継続してしまう可能性すらあるぞ、これほどナンセンスなことがあるか、そんなことが書かれています。

 

自民党の正体は、最近あからさまに露呈してきた通り、政権の座に居続けることによって可能な限り私服を肥やそうとする人間の集団だったわけですが、以前から囁かれている噂があって、彼らは外国人の集団かもしれないというわけです。これは、西欧列強による植民地支配の歴史(間接統治)を少し学べば、日本だけが例外なのかという疑問も湧くし、十分にあり得る推論だと思います。ていうか、この20年、30年、自公政権がどれだけ国民を苦しめてきたかを考えれば、彼らは同じ日本人なのだろうかという疑問は当然、ありうるのではないかと。

 

自民党に不利な事案が出てくると北朝鮮がミサイルを発射する、という指摘もあります。北朝鮮は日本を狙っている、だから自民党で軍事充実させなければ国が危ないんだ、という粗雑な議論を巻き起こす意図があるのだ、というわけですね。では北朝鮮は本当に自民党とグルなんでしょうか。これまた考察に値する、興味深いお題だと思います。

 

最近、北朝鮮はロシアと接近してますね。2018年にはトランプと会談した金正恩が、2023年にはプーチンと会っている。冷戦終結は、第二段階に入ったのかもしれないと考えて良い理由は十分にあると感じます。韓国は全く、南北問題に関して存在感がなくなった。きっと自民党北朝鮮とのパイプ(もしあったなら)も途切れているのではなかろうか。

 

ということだとすれば、いま騒がれているパーティ券とか裏金疑惑とかはマジであって、北と連んで国民を脅して増税してきた安倍派を中心とする勢力は、本当に崖っぷちなんだろうなと推測できる。北朝鮮は日本軍が作ったという説もありますが、本質的に地政学リスクに抗う国家体制であり、渇望するのは安全保障でしょう。それをアメリカ(トランプ政権)が保証すれば自民党と連んで日本国民から収奪し軍事費を調達する必要性も減る。そしていまトランプは出てこられないがプーチンが代わって安全保障を約束する。このように根底には、朝鮮戦争が実は終わったという状況変化があるんだろうな、ひょっとしたら金正恩はある時点で引いていくのかな、だから最近、娘をやたらと露出させているのかな、とここまで考えを膨らませることができますから、このお題は陰謀論としてとても楽しめる、質の高いものだと言えるでしょう。