20240208 百聞と一見

陰謀論者となった私にとって、目の前に出てくる情報はそのまま受け入れる対象にはなりません。これは、誰がどういう意図で流している情報なのか、その背景とか構図を読み取ろうとしてしまいます。で、自分なりの当たりをつけて咀嚼し、他の意見や情報と照らし合わせながら、信じられるのか信じてもいいのかなど考えていこうとします。面倒臭いです。他人から見たら面倒な奴に映りもするでしょう。でもしょうがない。世はもはや完全に情報戦ですから、安易に目の前に出てきた情報を信じると怪我しかねないと思います。

 

情報を評価したり選別したりしていくと、まあ大体こんなところかもな、という着地点が見えてくる場合もある。いつまで経ってもよくわからないことも多いですけど。

 

私は以前、自分で直接見聞した一次情報は最も信頼性が高いだろうとたかを括っていました。なんたって自分で見たんだから。自分で聞いたんだから。でもそうでもないかもしれないと怪しむようになり、最近は自分の直接体験すら素直には信じなくなりました。

 

例えば、実名を出して申し訳ないですが西村康稔さん。この方をお呼びしたイベントに関わったことがあって、実際に生で見たし、直接やりとりしたスタッフの話も聞きました。みなさんいっぺんにファンになったようで「偉いのにとても腰が低い」「末端の私にまで労いの声をかけていただいて感激した」みたいな評価です。一次情報においては、満点だと思います。

 

ところが同時期、この方のウェブサイトに「世界美女図鑑」というコーナーがあって、海外出張した際に現地の綺麗なおねえさんたちとニコニコ一緒に映った画像をアーカイブしてることが問題視され、渋々?このコーナーを削除するということがありました。これもまあ、一次情報といえば言えるかも。腰が低くて気配り上手、でも脇が甘いしきれいな人が好きなのねと理解が進んだ感じがします。

 

しばらくして泉房穂さんという方が色々発信するようになりました。前明石市長。西村さんとは同郷で、東大でもほぼ同期だったらしい。で、何かの署名運動に関わった泉さんがボクシング部にいた西村さんに署名をお願いしにいったら、俺は将来総理大臣になるんだから変な署名はできないと断られたと話しています。ですので、若い頃から権力欲が強かったんだなと、二次情報ですがさらに西村氏に関する理解が深まります。

 

そして最近です。パー券のキックバックで裏金作り(脱税)していたことが露呈してしまいました。他の疑惑代議士の皆さんと同様、西村氏も自分は全く知らなかった、全て秘書や会計担当者がやったことだ、と言い続けました。これはテレビや新聞、ネットを通じて知ったという意味では二次情報ですが、本人がそれを語っている動画を視聴したという面では一次情報と言えるかもしれません。最近、この人の政治団体の収支報告書がリークされましたけど細かく項目を分けて記載してますが1日にガソリン代50万円とか、お土産何十個とか、まあ常識外れの内容です。私は、これをもってこの人の人物像がひとつのイメージとして完成した気がしました(若い頃からの夢であった総理になるためになんでもやる人(腰の低さも裏金も)+きれいな人が好きで脇あま)。ここまで詰めて気づきましたが、実はこの人、総理になったらこれをやるという発信してたんでしょうか。私には届いてなかった。

 

何が言いたいかというと、一次情報もひとつや二つじゃまだダメで、しつこく関連情報を積み重ねて立体的に考えないと本丸には迫れないなあという感覚です。一旦、本丸を掴んで仕舞えば、あとに入ってくる情報は単なる補強材料になるばかりです。逆に、整合しない情報が出てきた時には自分が掴んだと思った情報が本丸ではなかったかもしれないと疑うことが大事になる。

 

情報戦の渦の中で正気を保ちつつ、騙されず流されず生きていくことは面倒ですが、パターンがいくつか読めてくれば少しは楽になるのかなとも感じています。わかりやすい例として西村氏を取り上げてしまったことは、ご本人には大変申し訳ないのですが、国民は知っています。勘づいています。そういうのは、あなただけじゃないよね、と。自民党、ほとんどみんなこんな感じでしょ、と。そのことを以てご容赦ください。

 

最後に唐突に付記しますが、試行錯誤で掴んだイメージの最たるものが日本政府は植民地総督府だなということで、その構成員がだいたい上記のような感じなんだなと。総督府の命脈は風前の灯に見えますが、その帰趨は総督府そのものの細かい動静を見るよりも本国を見ていた方がよりよく予想できるだろいうということです。本国、大きく変わりそうじゃないですか。