20240207  日ユ同化論

以前、アーサー・ケストラーの「第13支族」つまりユダヤ人には12の支族しかなかったはずなのに、中欧出自でパレスチナとは無縁のハザール人たちがなぜかユダヤ教を国教としてその後全世界に散らばり数々の悪行を働くことになった、という内部告発的な書籍に触れたことがありました。この説はだんだん勢力を増しているようで、今のイスラエルはハザールマフィアが作ったシオニズム国家で、シオニズムユダヤ教徒は相容れないのだ(だから今のイスラエルを滅ぼしてもユダヤ教的には問題ないのだ、むしろシオニズムは正統的ユダヤ教を弾圧、背乗りしておりイスラエル国家を消滅させるのはむしろ良いことなのだ)とする解説が説得力を増しているように見えます。

 

私は、それじゃ残りの(?)12支族ってどういういう連中なんですかが知りたくなりました。で、少し勉強したところ、①ユダヤ人は各地で迫害を受けて紀元前14世紀頃にはエジプトに集住していた、②紀元前13世紀にモーセが率いてエジプトを出て苦難の末ヘブライ王国を打ち立てた、③ヘブライ王国がa.南ユダ王国(2支族)とb.北イスラエル王国(10支族)に分裂した、④a.は一神教を頑なに守る派で後に新バビロニアに滅ぼされ「バビロン捕囚(B.C.582)」その後長年月をかけてエルサレムに帰還した、⑤b.は各地の土着宗教と親和的な一派で多神教も認めようとする柔軟性があったのが特徴でその後アッシリアに滅ぼされ(アッシリア捕囚B.C.722)分断させられて世界各地に散らばったとされている、ということのようです。

 

国を持たない民族というか宗派の歴史ということでやたら複雑でありきちんと理解するのは私には無理かもと感じていますが、面白いのはb.の10支族で世界を色々動いている中で、多神教と仲良くしてもいいじゃないかと考え始めたらしいと、これは歴史学者田中英道氏が書いています。で、田中さんはさらに発展させて、日本にも来てるんだよ、何回も来たんだよと。

 

日本人とユダヤ人は先祖が同じだぞとする日ユ道祖論というのがあります。田中先生は日本人が日本列島で暮らしていたところにユダヤ人が入ってきて同化したんだという日ユ同化論というのを言っている。中身は凄くて、蘇我氏秦氏ユダヤ系だ。織田信長も怪しい。中国に至っては秦の始皇帝だってユダヤ系なんだぞと語りまくります。もちろん、学者ですからそれなりの根拠は付けてます。私は、千葉県多古市で出土したという埴輪がユダヤ教のラビとそっくりではないか(ユダヤ人埴輪)を知り吃驚したと同時に、その可愛さに思わず笑ってしまいました。

 

イスラエル政府は失われた10支族の行方を国家として調査しているそうです。で、驚くべきことに日本にも調査に来ていて、どうも能登半島あたりから入り込んで西日本に展開していったというような古代ユダヤ人の足跡を確からしいことと認める報告書があるらしい。

 

藤原直哉氏は、現在のイスラエル国家は滅ぼされるだろう。そうすると聖書の予言が実現しないことになる。あれ?じゃあイスラエルって本当はどこにあるんだ?ってな議論が出てこないとも限らない。出てくるだろう。その時、実は日本でしたみたいなこともあるんじゃないの?とここは留保付きな感じで話していました。

 

もし日ユ同化論が妥当なら、日本にユダヤ人が来ていたとしても一神教の神を讃え祀る人たちでは既になく日本的な汎神論的世界に同期してしまっているはずだから、そんな人たちが行き着いた場所をユダヤ教の国家イスラエルと呼ぶことができるのかという素朴な疑問も湧きますが、中東の情勢変化とその後の世界を考える上で、押さえておいてもよいポイントなのではないかと思った次第です。