20240121 トランプ復権への視点

そろそろ一般のメディアでもトランプ氏が今年の米大統領選挙を制する可能性について書かれるようになってきましたね。先週でしたっけ、全米で最初の州別共和党大会がアイオワで行われ、州として大統領候補を選ぶ選挙の結果、トランプ氏が圧勝したとの報道がありました。確かに、州の中が何十もの小選挙区に分かれているのですが、ほぼ全ての選挙区でトランプ氏が得票数トップでした。これをもって、メディアは、圧勝という表現を使うわけです。

 

しかしこういうことはやっぱり斜め目線も必要でしょう。票の獲得率を見れば、圧勝とは程遠く、全体の51%にすぎません。共和党の他の候補では、元国連大使のヘイリー女史が2割、テキサス州のデサンティス知事が2割。このように得票は実は割れていて、トランプじゃちょっとな、と思うアイオワ州共和党員が半数いることは押さえておくべきだと思います。

 

私も、もし米国人だったら迷うでしょう。とは言っても他の候補に投票する可能性は小さいかもなんですが、多くの陰謀論者(私もそうですけど)と一緒になってトランプ推し一択で突き進む気にはなりません。この人も、十分に気をつけて見ていかないといけないと思います。

 

公言している方針は、まずはワシントンの沼を掃除する、DSを叩き潰す、ということでしょうか。これ前にも書いたけど、DSの定義を選挙で選ばれてもいない一部勢力が政治を動かして国や国民を自分たちの都合の良いように操作していること、そしてその勢力そのものの呼称だとすれば、それを打倒すると言っているトランプとその背後の勢力も選挙で選ばれていない割にはかなり堅固そして強烈な集団であることは明白で、それはDSとは呼ばないの?という疑問があります。表に出てきていない勢力同士の対立、潰し合いということであれば、国民にとっての結果の良し悪しはあるけど、闇同士の戦いなんじゃないですか。あるいはプロレスか。

 

人身売買やペドの犯罪をやめさせるとも言っているようです。これは良いことでしょうね。

 

また米国内産業を再活性化させると言っている。自動車も国内で作れ、輸入するな。中国はアメリカの知財を盗むな。移民は入ってくるな。日本は米軍の駐留費用をもっと負担しろ。温暖化なんか無視してガソリンを使っていいぞ。これらは、わかりやすくアメリカ国民に訴求するでしょう。

 

一方で統一教会との関係、ワクチン推し、など不明瞭かつ重大な疑問もあります。あと、彼が言わないのは、国や大企業が個人の情報をどう管理すべきか、あるいはすべきでないかについて。

 

ダボス会議でオランダのマクシマ女王という人が、生体認証チップを全世界の人の体内に埋め込めば、とても便利な社会になると主張しています。この人、国連事務総長のアドバイザーだっていうから、非常に危険な議論ですよね。こういうものに対して、温暖化など無視しろ、と言ったような勢いでトランプが攻撃しているところを見たことがない。ありますか?

 

もし大衆管理に関して欧米の今のエスタブ連中とトランプの考えが同じなら、我々一般大衆にとって、米大統領選は、まあほとんど意味のないプロレスイベントに成り下がる可能性だってあると思いませんか。どっちに転んでも国民管理強化の可能性は変わらない、とか。

 

アイオワ州で「圧勝」と報道されたトランプ氏に実は投票しなかった49%の同州共和党員は一体何を考えていたのか、あるいは投票した51%の党員の中に迷いは全くなかったのか、こういう細部に思い巡らせることは、無駄ではないと思います。