20230821 清原の息子で沸く甲子園

一昨日の沖縄尚学慶應義塾、休みだったし朝だからプレイボールからゲームセットまでテレビ観戦。面白かった。

 

NHKは沖縄の投手がすごく贔屓みたいで、投げてる時はもちろん、ベンチで座っている姿、チームメートと話している姿、打ち込まれて外野守備についた後の守っている姿、敗れて甲子園の砂をシューズ袋に書き入れている姿、荷物をまとめて退出する姿、執拗に映し出していたから、俄か甲子園観戦者の自分にも、ああこの人が大会1番の注目人物だったんだろうなということは伝わってきた。

 

しかし、メディアと大衆(嫌な言い方だけど一般の、自分を含めて素の、普通の人たちって意味で)は時に視線が異なる。どうせ忘れるから書いておくが5回表裏の工房を修了した時点で沖縄の投手があまりにも素晴らしく、慶応は全く打てない。スコアは2対0で沖縄リード。ここで、知らなかったが10分間の休憩時間。グラウンド整備なんかやっている。昔はなかったよねこれ。

 

試合再開。6回表慶應の攻撃から。ちょうど打順が先発投手だったので、代打清原。この時の球場全体の盛り上がりは異様だった。すごいなー、すごい。こんなにみんなから声援を受ける人がいるんだ。登場しただけでですよ。野球だけでなく、コンサートとかあらゆるイベントで、登場しただけでこの5万人?とテレビの前の数千万人?がこれだけ「オーッ!!」と盛り上がるケースって見たことない。

 

結果は確かピッチャーゴロだったけど、続く打者陣が連打して党首をノックアウト、1イニング6点を入れて勝敗を決めた。

 

考えた。あれが桑田の息子だったら、松井の息子だったら、王の息子だったら、工藤の息子だったら、(それぞれ息子がいるかは知りません)あそこまで盛り上がらないだろう。想像できるのは唯一、長島の息子(これはいるね)のケースならあるかもしれない。

 

でも長嶋さんはいい人素晴らしい人で定着しているのに、清原は暴力的なイメージあるし麻薬だとか刺青、離婚など一般常識から言えば不良の、悪い奴ということになると思うが、なぜ自分も含めてその息子の登場でこれだけ盛り上がるのだろうか。甲子園歴代第1位の本塁打数を誇る強打の思い出が強烈だからだろうか。でも桑田もすごかったじゃないか。

 

自分の心の中を除いてみると、実は清原個人を好ましく思っている部分が結構大きいことに気づく。やってることは不良なんだけれども、そこには一種の純粋さがあるというか、有り余る才能と不釣り合いな世渡りの下手さ加減。小賢しく立ち回ることが一切ない潔さ。本人のことを全く知らないけれども、息子の登場に盛り上がった人たちは、清原を嫌いじゃない。なんか、愛してるんだと思う。その愛の所以は、日々長いものに撒かれて自分を殺して生きている小さな自分に比べて、大きく葛藤してくれて悩んでくれてそれでも器用になれない清原和博という人間に対する感情なのだろうと思うよ。

 

しかし慶應すごいね。だってあそこが先発投手の打順じゃなければ代打起用のタイミングはズレてたわけでしょ。クーリングタイム明け直後という、相手投手の肩も冷え、自軍劣勢の嫌な雰囲気もある程度持ち直した時点でノーアウトで代打を出せるという。