世の中が乱れていると、まあ何も起きない。平和になると途端に、日本人の活動は盛んになる。その時、底力が見える。
国を閉じて内戦もやめた徳川時代、農地は開拓するし物流も全国を結ぶし先物経済も生み出すし、エコな大都市も作っちゃうし、人口もどんどん増えた。元禄の経済と文化は花開きその名残は現在も続いているね。ただ為政者は民衆が豊かになることを好まないから、財政が危ないとか言って緊縮政策を取りたがるようになる。そうやって経済と文化を潰して行った結果、繁栄の徳川時代は終わっていく。
開国して多少の内乱を治めたあたりから、西洋の技術も文化もあっという間に吸収して繊維産業も重化学工業も自前で発展させて是ノックに鉄道を敷き自動車も作り飛行機も飛ばし台湾や朝鮮半島、さらには満州まで含めた大帝国を築いてしまう。これ、丁髷を切ってから50年くらいの話である。こんな姿を見たら、欧米も潰しにかからないといけないと思うだろうそれは。
それでコテンパンにやっつけられて占領地支配されて軍備も持たされず、半島系の人間に間接統治させてぐいぐい締め付けたにも関わらず、ラジオもテレビも自動車もパソコンも世界で一番品質の良いものを量産し始めたと思ったらあっという間に貿易黒字から外貨を溜め込んで戦勝国であるアメリカの土地を買い占めるほど担った。敗戦からせいぜい40年でのことである。欧米から見たら、なんなんだこの国は、この民族は、となるだろうな。
日本人は、放置しておくと底辺レベルから創意工夫して独自の価値を生み出し経済的にもどんどん発展してしまう。この、底辺レベルからというところが世界的にも不思議なほど珍しい現象で、ここが日本の歴史の1番のポイントだと思う。決して、政治的経済的な上位層が何かを牽引したり生み出したりする国ではないのだ。だから、潰しても潰しても甦る。外から見たら、謎だろうなあ。
民族の英雄みたいな人は、出ない。素晴らしい資質を持った中間層から底辺までの（経済的、政治的意味で）人々は、決してのしあがってリーダーシップをとって集団をある方向に導こうなどとは考えない。仮にそんな人物が出てきたとすれば、その出自を確認した方がいい。意外と、半島だったり大陸だったりするはずだ。日本人は、変な人間が上に立つと、まあ耐える。というか、めんどくさいなあと思いつつ、適当にやり過ごしながら自分の世界を維持しようとする。
そういう意味では、日本人とは中間から下の（経済的、政治的意味で）人々であり、その能力があまりにも高いので「問題」なのだ。放置したらどうなるのか。どこまで行ってしまうのか。
一方で、我々の記憶にあるバブル時代は、倫理的には酷かった。潜在的能力は桁外れだけど、いざ反映した時に立派な人間でいられるかという点では日本人はまだ疑問の残る存在かもしれない。立派な人も多いけど。
