20230708 自民党を支える幻想

いまだに自民公明連立政権を支持するという人が何割もいるという。世論調査が発表されるが、4割から3割に下がったとか言っている。ネット上では岸田政権支持率0.1%で、こっちの数字がリアリティあると言われたりもしてる。

 

確かに、選挙があったとして、自民党に投票する人は0.1%ではないだろう。少なくとも3割、4割はいそうな気がする。不思議といえば不思議で、他に投票したい党がない、が投票理由の上位に来たりするからやむなく自公政権を選んでいるというのが実情かもしれない。

 

一方で、他に投票したい党がない、と有権者が考える理由の一つとして、昔の自民党の良いイメージが残像のように残っている効果があるのではないか。都会からお金をむしり取って地方にどんどん道路やダムや新幹線を作ってくれる人たち。サラリーマンからどんどん税金をむしり取って、自営業者や農林漁業に振り向けてくれる人たち。そう、日本型社会主義政党として市場経済をうまく活かしながら成長の果実を相対的に横着な人々に分配する機能は出色だった。少し気概があるなら補助金など受け取らないものだが、受け取る人はたくさんいて、そういう人たちは結局お金で動く人たちだからお金をくれる政党ということで自民党を支持し続けた。

 

ところが今、自民党公明党はサラリーマンだけではなく、地方からも自営業者からも農林漁業からも老人からも貧乏人からも主婦からも、それこそ消費税率上げているんだから是の区民からむしり取るだけの政権になってしまった。むしり取ったお金をどこに振り向けているかといえばウクライナをはじめとする諸外国、軍事費、加えてどうも米国債をたくさん買わされているらしい。

 

この構図は見える人には見えていて、選挙があればとりあえず自公以外、と決意を固めている人もいたりはするが、自分の感じではまだ少数派である。

 

この後に及んで自公政権を支持する人たちの中には、少なくとも自民党は、本当は自分達にお金を配りたいはずだ、なのに何らかの大きな力に抗いきれず、やむなく一時的にどこか別のところにお金を振り向けざるを得ないのだろう、との妄想を抱いている人がいるかもしれない。

 

多分、違う。てかそれだけは間違っている。自公は誰と戦っているか。誰と対峙しているか。それは、例えば統一教会に解散命令を出してほしいと訴える被害者の会であったり、ワクチンで死亡した人を認定してほしいと訴える遺族の会であったり、健康保険証を廃止しないでも良いのではないかと珍しくまともなことを言う立憲民主党であったり、安倍を国葬にする必要はないと主張する人々だったりする。彼らはそう言う戦いをしている。

 

ひろゆき氏が面白い例えをしている。今時の自公政権支持者は「肉屋を支持する豚」だと。確かに。自民党は、国民のために誰かと戦って敗れてマイナンバーを導入しようとしているわけではない。彼ら自身が進めたくて仕方がないのだ。自民党は、国民のために誰かと戦って敗れてやむなく増税しているわけではない。彼ら自身がそうしたくて仕方がないのだ

 

国民を屠殺する肉屋。それが自公政権だという例えは言い得て妙と思う。そしてそれをなぜか支持する国民は、肉屋は自分達のためを思って働いてくれているが何らかの都合でやむなく仲間を屠殺しているのだと言う幻想から逃れられない。睡眠薬でも盛られたのか。