もう8ヶ月も前のことになるが、安倍晋三代議士が暗殺された(ことになっている)。
異論は出ている。あれは偽物だ。なぜ近くの病院ではなくわざわざヘリで遠くの病院に連れて行ったのか。突然決まった街頭演説に、予告もないのに聴衆が集まったのはなぜか。警備が甘かったのはなぜか。近くのビルの屋上にスナイパーらしき人物がいた。銃弾の跡がない。検死の結果がおかしい。等々。
10階建てビルの屋上から街頭演説する政治家の急所を狙って当てられるものなのだろうか。映画「ジャッカルの日」を思い出すが、的になった人物がちょっと姿勢を変えただけで打ち逸らすリスクがある。だから確実に仕留めようと思えば至近距離からやるしかない。とすれば、重音が聞こえた直後に、自らゆっくりと演台をを降りてうずくまった本人に、駆け寄った警備員の誰かが犯人なのか、あるいはそこまではシナリオ通りで、乗せられたヘリの中、あるいは搬送された病院の中に真犯人がいるのか。その辺りを突っ込んで解説してくれる記事を見ない。
ところで気になるのは容疑者とされる山上某である。彼は親が統一教会信者で、そのことで非常に苦労して育った、統一教会に尋常ならざる恨みを持っていた、と報道されている。それが犯行の動機だと。
一方であのチャチな自作の散弾銃で20メートルは離れていたと思われる位置から狙撃に成功するとはとても思えない。だから実行犯は他にいて、山上某は見せかけに過ぎなかったのだろうと考えるのは自然だと思う。
とすれば、山上某は誰にどのように言われてあの場にいたのだろうか。仮に自分が黒幕だとすると、安倍を社会的に抹殺しつつ、統一教会と自民党との関係を白日の下に晒すというミッションを考えることになる。そのためには統一教会に恨みを持つ人間がそれを動機として安倍を殺害するという劇場的な展開が欲しい。
統一教会の二世信者の中で、それなりの知性というか知能を持ち、ミッションを理解して演じてくれる人間を探すことは容易だろう。ただし、本人にその気になってもらって、シナリオ通りに演じ切ってもらうのは、これは結構大変だと思う。
加えて山上某は逮捕された後、半年近く精神鑑定をさせられた。これは、精神的に問題があるとなれば不起訴になり、裁判の場で真相究明がなされてしまう、これを恐れた勢力の仕業だという説もある。ありそうなことだ。でも彼はそれに耐え抜いて、結局は裁判になった。
これだけの人材を見出し、育て、演じさせているとすれば黒幕は大したものだと思う。山上さんは、何をどこまで知っているのだろうか。
時々、こういう大事な役回りを生い立ち不明の素人が演じることがある。最近では都立大の宮台教授を襲った犯人だ。誰かがやらせている、と思われるものの、曖昧なままに終わる。不思議な現象だが、その人が何をどこまで知っていてやったのか、そこに自分は興味がある。誰かプロのジャーナリストに、全体像を明らかにして欲しいものである。