混乱を見る

統一教会はCIAが作ったという。創始者は韓国人で、それを日本に招き入れたのがCIAのスパイと言われる岸信介元首相と笹川良一だという。彼らが共有したお題目は反共産主義だそうだ。一方で統一教会創始者北朝鮮を訪問し当時の金日成主席と歓談し北朝鮮にはしばしば資金援助をしているという。だから統一教会の反共産主義はフェイクだとする見方がある。これを認めるならその裏側にいるというCIAには共産主義を潰そうとではなく育てようとする意図があったと考えるしかない。

 

統一教会を経済的・経営的に支える根本は洗脳だという。信者を増やし様々な手段で(壺を買わせるとか?)財産を毟り取る。信者はそれでも増えていく。まとまった人数の、いうことを聞く信者の群れは選挙に使える。これを活用して政治に入り込む。政治家は当選したいから統一教会の援助を受け入れる。ただし政治と宗教の関係は微妙だからこっそりやることが多い。それがこの10年ほどの安倍政権の元では自民党はあまり隠さなくなってきたと。ああ、だから選挙で連戦連勝だったのね。必ずしも統一教会だけではなくていうことを聞いてくれるいろんな宗教団体の支援を受けていたのだろうなと。その最大のものは創価学会なんだろうなあと。

 

ところで安倍自身は反共産主義的ではありながら実はロシアや中国の首脳とも割りに気安く付き合っていた。CIAの言うことをそのまま代弁していたわけでもないことはコロナを早く5類に下げた方がいいと言う発言にも現れている。影響力を持たなかったが。これは理解に苦しむ。安倍とは一体なんだったのだろうか。

 

安倍政権の元で数々の悪方が成立したと言う指摘はその通りだろう。選挙はインチキな集計や宗教団体支援で連勝してきた。消費税も上げた。いいこと何もやらず汚職まがいの事案で糾弾され続けてもきた。が、コロナは5類に下げろという。

 

死した後、国葬にすると現政権はいう。国民にはその意図がわからない。大多数はどうでもいいと思っているが、まともにものを考える層からは評判が悪いし無意味だという指摘もある。

 

こうした混乱を見て思うのは、おそらく政治家は妥協の連続ではないかということだ。何か政治目的があって、それを達成するためには多数を取らなければならないということになれば、表を提供するぞという勢力と一定の条件で(考え方が違っていても)手を握るのが政治なんだろう。清廉潔白に?自分の意見と違う勢力とは一切関係を持ちません、では政治目的を達成するために必要な「数」が得られない。そういう意味での妥協の連続があると思う。

 

事態をわかりにくくしているのは、誰と誰が何を妥協したのかがわからないからだと思う。統一教会のイベントに出てスピーチした、は事実だろう。しかしそれが統一教会に心から共感して無償でもやると言ったものなのか、まあ資金源だから仕方なく義理は果たしておこうという程度のものなのか。それはわからない。政治家の事績が全て本人の主張と矛盾しないものなのかという観点からのチェックをして行っても不可思議なことばかりになるのではないか。

 

そこまではこちらも妥協しよう。色々大変ですね、と。その上で、より重大な問題なのだが、全くわからないのは安倍の政治目的だった。あの人は、何を目指して政治をしていたのかが、あまりにも様々な矛盾を露呈しているが故に全くわからない。政権維持のために全力を尽くしたことだけは明白なのだが。