20240409 実質賃金の低下が続く

さていよいよ米国時間4月8日、日食の当日となりましたが、今のところ日食以外の大事件は起こっていないようですね。地震とかUFO出現とか色々言われていましたが、まあ災害が起きていないのは有難い話です。

 

先ほど、習慣となっている早朝ネット検索を終えましたけど、最近はこれ大変だ!、というものがないですね。大谷選手問題も小林薬品も派手にぶち上げたのは良いけど、その後はズルズルになって収めようがないというか。

 

そんな中、なぜか気になったのが上野の双子パンダの件。雄のシャオシャオと雌のレイレイがもうすぐ2歳になり、知恵がついてきて関係が微妙になってきたようで、今後は別々に「展示」するとの発表があったとのこと。展示かよ。まあそうかもですけどね。もともと野生のパンダは群れをつくらず、単独で行動する動物だそうです。愛嬌のある外見とは異なり、意外にたくましいのですね。双子の母親のシンシンは、双子をそれぞれ別立てで公開するための施設の改修を行うため、当分の間は裏の方で生活するそうです。

 

前振りが長くなりましたが、パンダより遥かに我々と関係が深い実質賃金のニュース。もう23ヶ月も下がり続けていて、これはリーマンショック以来だということです。

 

実質賃金とは、対前年同期の賃金上昇から物価上昇分を差し引いたもので、私の理解ではこの1年間に可処分所得は上がったのかを測る指標だと思います。それがマイナスだと。もう2年も下がり続けていると。一方で税収と企業の配当はここ数年、過去最高が続いていると言いますからもう犯人は分かったも同然なんですけど、これ、どうなりますかね。

 

企業にしてみれば、株主を重視しろという風潮を作られているので配当増やさないと株主に詰められるプレッシャーがあり、賃金を抑えて利益を捻出してきたと。そこに円安で調達費の増加があり、耐えきれなくなって最近は横並びで値上げに。一方で下請けに支払うお金は力関係で絞り込むから中小企業はそれこそ賃上げどころではないですね。さらに消費税含めて最近は森林環境税なんてのも作って従業員、一般国民の可処分所得はそれはもうどんどん減る。企業は売り上げを伸ばす以外に道はないのに、買い手の国民の可処分所得が減る一方なのだからこれは構造的な地獄です。

 

そして理由は政治的理由で追求されませんが人手不足が深刻化してきて賃金を上げないとそもそも企業活動に必要な「ちゃんと働ける」従業員が集まらない。仕方なく春闘で賃上げだ、歴史的な賃上げ率だと騒いでいますけど、元々歴史的に賃上げ率は低いから絶対値としてはそう上がらない。でも一応は上げる。一方で給料を上げた分は取り返さなければならないから商品サービスを値上げする。上場してれば配当は簡単に減らせない。そんなことでしょうじたコストを跳ね返せるだけの売上増なんてそう簡単にできる企業は多くありません。経営者にとってみれば、構造的な地獄がスパイラル運動始めたとしか見えないはずです。企業経営が辛い時代に突入しました。てか低金利デフレ環境が楽すぎたのかもしれませんが。

 

一部の企業が非上場化の道を選択するようになってきました。先を考えたら、もう耐えられないのでしょう。東芝、ベネッセ、そして今度は大正製薬ですか。どういう会社かよく知りませんが、なんとなく理由はわかるような気がします。地獄から抜け出したいんだろうな。

 

賃上げを主導した経団連会長の所属会社である住友化学は昨年に続き史上最悪の決算見通しを発表しました。経営者の心情をお察し申し上げましょう。無理筋をやってきたということなんでしょうね。