20231218 政治のお金

相変わらず安倍派ばかりが攻撃される不可思議な裏金騒動が続いています。以前も書きましたが、今回の件で可視化されたのは、ああそうやって政治家はお金を集めるのね、というかなり具体的な方法論だったと思います。

 

政治にはお金がかかる、とは言われてきたけど、どうやって集めて、どういうふうに使っているのかはなかなか分かりませんでした。今回は、集め方の一つがわかった。なるほど、こうやるのかと。議員さんもノルマとか与えられて、大変だよなあ。で、20万円が上限だから、2万円のパーティ券を10枚買ってくれる企業がいるんだって。そうやって企業は政治と関係を維持しているわけなのね、というところもわかった。

 

ではどういう使い方をしているか。これは柿沢代議士の江東区議会議員への現金供与の件が一つのヒント。また、久々に公の場に出てきた田中真紀子さんが、昔の話として、地方の有力者や地方議員がいかに父親の田中角栄に集(たか)っていたかを話した。自分はそれができないから落選した、というような。なるほど。地方に配っているんだ。お金を渡せば、人は動いてくれるもんね。そうやって自分の選挙の時に票を集めてもらうのね、という所がぼんやりながら見えてきた。

 

これはねえ、古典的だけど人類の弱点かもね。賄賂。効くんだろうなあ。あとハニトラとかも古典的だけど、効くんだろうと思う。で、1回やったらもう抜けられない。前はお金くれたじゃないか、とか言われる。いや、もう配らないことにしたんで、とは言えない。代替わりの機会に慣習を経とうとしたら、落選させられると田中真紀子さんが言っている。ということは、世襲ってなんだよということで。議員自体も世襲だけど、賄賂の慣習も世襲してんじゃないの?まだそういう意味では近代的な法治国家になってないんだな、日本。バナナ共和国か。

 

統一教会は、壺を売って儲けたお金を自民党に一部差し出し、また選挙ともなれば運動員を供与して議員の当選を助けてきたと。これはもう明らかになっていますよね。

 

その典型例が安倍派(やや遅れて二階派)なのでしょう。裏金を作って地方に配り当選を得る。統一教会の協力を得て人とお金を供与してもらって当選を得る。裏金作りと知っていてパーティ券を購入する企業や個人はそれなりの「貸し」を作る。こうやって当選議員を多数確保して、政権を維持する。維持はするんだけれども、それに協力してくれた統一教会、地方議員、パーティ券購入企業あるいは個人に対しては「借り」ができるわけで、当然、政権の方向性は国民ではなくそっちに向くことになる。分かりやすいよなあ。

 

そういえば最近、経団連が年間24億円を自民党献金していることについて、何が悪いと開き直った会長会見もありました。医師会も武見厚労大臣に何億円か寄付しているとか。そうすると、どうなのかな、たかだか総額100億円くらいで日本の政治は買収できるってことじゃないですか。官房機密費が同じくらいの規模であって、そこからは有力文化人買収費用が供出されているというYahoo!ニュースも出ている。構造はもう、かなり見えてきましたね。

 

これを自民党の清掃もとい政争だとか、統一教会潰し(副島隆彦説)とだけみるかですが、私の直感によれば、安倍派や統一教会を潰して得るものが自民党には少ないのではなかろうか。むしろ大きな資金源が断たれるデメリットの方がはるかに大きくないか。ところで麻生派や岸田派の資金源てなんなんだろう。パーティ券ではないよと報道は言いたそうだが、じゃあそれも気になりますよね。いずれ出てくるのかな。

 

こうしてみると、まずは大規模派閥の資金循環を断ち切るという作業が行われているようにも見えます。でかいのから手をつけて、次々に政治に関わる従来型の資金循環を切断していく。地方の議員や有力者が買収されて票を集めているということは、地方の議員や有力者の周りにそのお金を受け取っている人がいる可能性があるわけだから、これはもういっぺんに潰すしかないんでしょうね。政治改革と言いながら、日本の改革かもしれないね。