20231023 心の支えを見つける時間

長崎の衆議院補欠選挙、面白いというか興味深いというか。多くの人の1票1票の集まりが得票数ではあるんだけど、全体をあらためて見直すと、今の長崎4区の有権者の心理状態が透けて見えるように感じられる。自民党は懲らしめないといけない。でも野党の人を選出するところまでは踏み込めない。施主は悪いように言われるが安全かなと言う感じもする。そんな得票差。僅差。こうして、日本の変革は、決して劇的にではなく、ものすごくゆっくりと進んでいくんだろうなと言う感じ。

 

ちょっと気になったのは佐世保の開票状況。

 

https://twitter.com/asahi_nagasaki/status/1716128648418513167 

 

記事では棄権者の多いことに触れているが、自分は2候補の得票数が確定20分前まで同数で進んできたことに関心がある。

 

何時から開票を始めたのか知らないが、22時28分から22時35分までの開票総数は1万7千票で。自民と非自民の得票はそれぞれ半分ずつだった。1分あたりの開票数は1万7千を7分で割れば2428票だ。22時35分から22時55分までの開票数は14,744票だから、1分あたりはずいぶん低下して737票。22時35分までの7分間と比べれば3倍以上、遅くなっている。まあ、多分、それまでは中間だが今回は確定だから確認に時間がかかったとか、そう言うふうなことになるんだろう。で、最後の20分に開票された14,744票のうち、自民に7,800(53%)。非自民に6,944(47%)と、最後の20分だけ大きな?差がついたことになっている。逃げ切りっていうのかな。

 

私が何を言いたいのか、このブログを読んできている皆さんにはお察しだと思う。もしそうなら、自民党は1勝1敗の結果に驚き、年内解散戦略を見直すと報道されているが、それ以上のショックがあるのではなかろうか。

 

多分、小細工を続けてもダメで、大きな流れは始まっており、自民党の時代は終わりつつある。背景として、アメリカの時代も終わりつつある。それはそれで良いことだと思いつつ、私も含めて「アメリカがいるから大丈夫」的な価値観て根強く刷り込まれていて、ある意味で心の支えになっているところがあるから、それがなくなった時に何をベースの考え方として生きていけば良いのか、おそらく混乱することは避けられないのではないかと少し不安もある。

 

アメリカは酷い、イスラエルは酷い、国際金融マフィアは酷い、自民党は酷い、と言うことは簡単だ。相手が倒れない限り、悪い奴とその批判勢力という持ちつ持たれるの系の中でそれなりに生きることはできていた。が、今回は、悪い奴らが本当に倒れそうなのだ。となると、批判勢力は、自らの足で、自らの考えに基づいて、立たなければならない。

 

そう思うと、長崎4区の有権者が野党候補を選ぶことを躊躇い、また投票すること自体をためらった真の原因は、悪い奴らがいなくなった時に、自らの足で立てるかどうかわからない、という不安にあったのだという分析すら可能のような気がする。

 

事態がゆっくりとしか進まないのは、わたしたちにとって、「自分の足で立つ」ための新しい心の支えを見出す時間を与えてくれているという意味があるのかもしれない。