20231022 ドルの見通し

加入している唯一の保険会社から、新商品の紹介を聞いてくれと担当の女性が連絡してきたから、渋々(もう追加の保険に入る気は全くない)お会いしたら紹介されたのが「ドル建て運用◯◯保険」と言う代物だった。

 

毎日毎日、ウクライナイスラエルだロシアだ中国だとニュースを追って、分からないなりに思考を巡らせてきた自分の印象は、こんな危ないものを、今頃お客さんに売りつけようとしているのか!というもの。

 

そう感じて気づいたのだが、自分はドルはもう持たないという感触を持っている。例によって、素人の直観に過ぎない。ではなぜ、自分はドルで運用しますよ(だから安全です)という保険会社(誰でも知ってる立派な大きい会社)の見方に対して拒否反応を示したのか。自分のことだから、理解しておかないといけない。

 

確かに、現時点でみればジリジリと円安が進行していて、確かにドルは強いなあと思う人がいるかもしれない。だけど自分は、ドルはもうジリ貧だと考える。1番の理由は、世界の人心がアメリカ離れしていることだ。アメリカ離れというか、アメリカ政府離れだな。あの連中は酷い、信用できない、何を仕出かすか分からない。関わりたくない。そう言う人や国が増えているのは実感する。そんな国の通貨が、これからますます強くなっていくわけがない。ざっくり言うとそんな感じ。あとは、その系である。

 

1年半前と状況は一変した。ウクライナにロシアが踏み込んだ時、西側世界はロシアを糾弾して結束していた。が、イスラエルに関しては割れている。と言うより、なんと国連もWHOもイスラエル非難である。アメリカだけが最後までイスラエルに寄り添うと言い、日本の外務大臣はエジプトまで出かけて行ってハマスのテロは許さないと主張した。この親分子分関係は、プーチンからは日本も大変だね、とか冷ややかに見られている。問題は、親分のアメリカの支配力が低下する一方なところだ。

 

アメリカはイスラエルと心中しそうだ。国際貿易でドル以外の決済が増えるだろうから基軸通貨としてのドルの地位は弱まる。したがってドル需要は縮小する。一方でインフレで高金利を続けるから米国内産業はますます厳しくなる。米国債の価値は下がる。利払で政府支出は機動性を失う。こうして負のスパイラルが生まれることはほぼ自明だし、場合によっては米国債暴落で連邦政府は機能不全になるかもしれない。それに日本も道連れかもと考えることは決して絵空事ではないと自分には思える。

 

日米両政府が財政的に吹っ飛んだ後、残るものは何かと考えると、日本は曲がりなりにも経常黒字だから稼げる産業(実業)はあるわけだ。アメリカの場合は何があるのかな。そもそもずっと経常赤字でしょ。産業(実業)は、ないんだよ、多分。詐欺ばっかりやってたから。僅かに農業がどうかって感じかな。そう考えると、ドルよりも円の方が安心して見ていられるかもしれない。いずれにせよ、こっちは日本国内にいるんだから、ドルで運用して暴落したら動きようがないよね。

 

まあ、素人なりに頑張って経済分析みたいなことを書いたけど、そんな理屈はともかくとして、ああ言うようなメチャクチャな国の通貨で運用されること自体が腹立たしい、っていう気持ちはベースに当然ある。それが仮に儲かる話だったとしても、乗り気にはなれないな。

 

と言うような感覚は、今やかなり一般的だと思うのだが、ドル建て運用で安心ですよという新商品を大々的に営業している有名保険会社の偉い人たちにとってみれば、いまだにアメリカ追随が安心への道なのだろうか。とすれば、日本の大手保険会社も危ないと自分は思うぞ。