20230628 ロシア残俠伝は深い

ワグネル/ワグナーの反乱もどきは一瞬にして鎮圧された。これに関して、譜代に苛められた鉄砲玉が大親分、聞いてくだせえと訴え、大親分は始末に困ってしまったが大叔父貴がまあまあ、と言って収めた、みたいな東映ヤクザ映画的解釈を面白くしてみた。

 

その後、いろんな情報が出てきた。流石に、いつも藤原直哉さんは鋭いなあと思うのだが「反乱時にブヌコボ空港(モスクワ近郊)から興味深いフライトがあった」とのタス通信の報道を紹介。出国を画策する公務員がいた疑いがあり、この情報について確認を求める声があるとのこと。なるほど。

 

ロシア政府の中にはスパイがいる。これは間違いない。それがNATOなのかCIAなのかMI6なのか中共なのかわからないが、必ずいる。それが誰なのかは恐らくプーチンもわからないだろう。炙り出すことができればそれに越したことはない。

 

ウクライナの戦況は悪い。悪いというのは、ロシアの圧勝状態ということだ。そんな中で、どうも正規軍とワグネルの関係はしっくり行っていない面があるようだ。スパイはそこに目を付ける。

 

別のネット情報によれば、西側の機関はお前が政権を取れば支援するぞとプリゴジンに伝え、巨額の資金提供も申し出たらしい。もちろん、噂に過ぎないかも知れない。プリゴジンはその話に乗る素振りをした。そしてモスクワに向かって進撃を始めた。よし、これでロシアは内乱だ、と思って出国しようとした公務員の中には、スパイがいただろう。

 

昔々、「スパイ大作戦」というテレビ番組があって、アメリカの秘密工作員が外国で元首を失脚させる活動を行い、それがほぼ成功するのを見届けて国外に脱出するというエンディングが多かった。まさにこれだ。

 

この間、誰がスパイかわからないのだから、プリゴジンプーチン、ルカシェンコはおそらく密に連絡を取り合ってはいないと思う。以心伝心のチームプレーではないか?とすれば、大した人たちだと思う。さすがである。

 

ちなみにワグネル撤退後のバフムト地区などウクライナ東部には、ウクライナ軍が攻め込んで来るのかと思いきや、もうその力はないようで、何も起きていない。

 

まあこんな観点から見ればウクライナでの戦争は、プーチンの偉大さをいちいち感じられるだけでも本当に勉強になるのだが、日本のテレビではプーチンの求心力が低下している、ロシア分裂の可能性もある、などと言い続けていてしらける。そんな番組を見て、ああそうなんだと思う人も結構いて、少し残念な気もする。