BSの報道番組は掘り下げが深くて面白いと以前は思っていたが最近は別の意味で興味深い。
とにかくウクライナの戦況を、どうしたらこんなに曲解できるんだというくらいウクライナ寄りに語るコメンテータを読んできて喋らせる。今夜もそうだった。
彼らの前提はこうだ。
ロシアは敗走している。
プーチンは追い詰められている。
ブチャの虐殺はロシアがやった。
ロシアはこれ以上ないほど汚い戦争を続けている。
(見境なく民間人を虐殺しているという意味)
こういう前提で語り出すと、どういう形で戦争が終わるかということについても
ウクライナのNATO加盟とロシアがクリミアを取ることでバランスが取れる。
プーチンが退陣した時がチャンスだ。
プーチンに戦争責任を問わないと言えば停戦の可能性が広がる。
みたいなトンチンカンな方向に行く。行かざるを得ない。
悲惨なのは、この議論の中に防衛省の現役研究員が入っているところ。
大丈夫か防衛省。それとも目眩しか。
戦争には全くの素人である自分でさえ、
ロシアからエネルギー供給が滞る欧州諸国はこの冬に厭戦ムードが高まるのでないか。
そもそもNATOの東方拡大が約束違いだったからこの戦争が起きたのではないか。
プーチンのこれまでの演説からして自分の保身を考える人物ではないのではないか。
ブチャの虐殺は西側の偽旗の可能性が高いのではないか。
等々の疑問がある。コメンテータの皆さんはこういう視点はないのか。議論するに値しないほど見当違いな疑問だと思っているのか。
今時の視聴者は、ひょっとしたらコメンテータ以上の情報を掴んでいる。そういう視聴者からしてみれば、むしろコメンテータの質とかポジションとかを確認する機会としてこういう報道番組があるようにもなっている。防衛省はひょっとしてもうダメだと思う。国民の洗脳すらできていない。