ロシアのウクライナ侵攻はパースペクティブにより見え方が全然違う。

 

近景に焦点を合わせれば、NATOの軍事的脅威を取り除くために隣国の政府に圧力をかけるための侵略としか見えない。あとはもう、戦いは悲惨だ、戦争反対、侵略を許すな、という世界に入っていく。日本での報道は99%がこのレベルだろう。

 

もうちょっと引いてみるといろんな姿が現れる。

 

ロシアが攻撃対象としているのが米国資金で設立運営されていた生物化学兵器の研究開発拠点であることは重要だ。そこでスラブ人のDNAを収集し特定人種にだけ有効な兵器が開発されていたという報道をどう捉えるか。ロシアの自衛は、何もミサイル基地だけが対象ではないのである。またアメリカやEUがコソコソと何をやっていたかが白日の元に晒されることの意味は大きい。日本は、こんな国々について言っていいのかとまで考えさせられる話だ。ウクライナにはさらに欧州における人身売買拠点であるとの指摘があり、ロシアはその施設も破壊しているという。もはや、何が出てくるかわからない。これは西側の信頼失墜につながるだろう。

 

さらに引いてみると経済面では、制裁が引き金になってはいるが、ロシアが自由主義経済というなのドル経済圏から弾き出されることによって、むしろ石油取引のドル縛りが無効化する流れである。中郷とインドがロシアとの間でドルによらない決済を実現しようとしているし、それにサウジアラビアも乗りそうだ。ということは、ドル覇権は事実上崩壊するということだ。これは大きい。基軸通貨人民元になるかどうかはわからないが、もはやドルを持っていればなんでも買えるという時代ではなくなるのだろう。

 

さらには不換紙幣から兌換紙幣への逆戻りも視野に入ってきた。ロシアは戦争前に米国債を売り払い、金を大量に備蓄した。そして今後のルーブルは金を裏付けにすると言っている。となると今地球上に大量にばら撒かれたドル紙幣は相対的に無価値になるだろう。なんと言っても、兌換性がないのだから。これが実は最も大きなこの戦いのインパクトかもしれない。それを承知で西側はSWIFTからのロシア各銀行の締め出しを決議したのか。大丈夫か。

 

日本は周回遅れで、欧米諸国の顔色を見ながら、というか指示を受けながら、おっとり刀で防弾チョッキとか送る利敵行為(ロシア目線)を行うし、欧米がすでに店じまいに入っているにもかかわらずまだワクチン100万回打つぞとか言っている。だらしないなあ。

 

国民の中には政府ほど鈍くない人がいっぱいいて、その人たちは当面、何らかの備蓄はしているだろう。金は今上がっているけれども中長期的に波乱があるだろうから判断は多様になる。だが円安は気になるところ。実物の方が安全という大きな感覚は持っていていいと思うけど、人口が半減する可能性もあり土地が良いのかはわからない。資産は分散的所有が賢明なんだろう。