20240219 意識について少し学ぶ

意識の問題については、書けることが実はあまりない。というか、あるんだけれども、確たるものがなくて、内容は常に乏しくならざるを得ません。

 

私が意識というのは、この、キーボードを打ちながら文章を作っている時に、なぜ、どこからこの文章が出てくるのか、というようなものです。文案が浮かんでくれば、タイピングは脳が命令して指が動くという形で、これは身体内の情報伝達として分析の対象になるわけですが、肝心要の「どこから文案が出てくるのか」については、皆目見当もつかない。

 

それって不思議というか不安じゃないですか。自分が考えることは、どこかから来る。でもそれがどこであるかはわからない。全部ではなくて一部は、自分自身の記憶からくることは間違いないですね。例えば「不思議」という漢字はこう書く、なんてのは記憶がなければわからないわけで。でも「不思議」という用語を使おう、という意思というか思いつきは、どこからくるのだろうか。そんなややこしい話です。思いつきさえ降りて来れば、それをどういう文字で表現しようかというのは記憶のデータベースを駆使すればできるわけで。怖いというのは、一つには、サブリミナルなど手法はわかっているので、自分が意図しない記憶が自分の脳にたくさん埋め込まれていて、それによって自分で考えたのだと思っても誰かに考えさせられている、方向づけされている、そういうことが起こりうるだろうということです。

 

同じようなことを、実はたくさんの人が考えてきたらしいというのは大きな書店に行けばすぐにわかります。最近では「脳を開けても心はなかった」という本の広告が新聞に出ていたのでざざっと読んでみました。ノーベル賞を受賞した科学者の中には、その後に意識の研究に没頭する人が多いんだという内容です。実名が挙げられていてシュレディンガーペンフィールドペンローズ、クリック、エーデルマン、利根川進、その他その他。これだけの頭脳が束になって意識とは何かを研究してきて、何がわかったかというとほとんど何もわかっていない、というのがこの本の概要です。むしろ、研究のアプローチ方法が各人、とても異なるので、読者目線で感想を述べれば、かえって混乱は増しているような気がする。

 

シュレディンガーはピアノや自転車の習得過程をみれば、習得する際には意識が必要だが習得して仕舞えば無意識でもできるようになる、みたいなことから入っている。そして最後には東洋哲学に向かっていったそうです。最近の流行りは、どうもAIに心は宿るか、という話になっていて、これにも賛否両論があり、結局「意識」を定義づけないと話が噛み合わないね、というところがあるらしい。

 

正統派のサイエンスは実証主義、還元主義だから、意識を何かに還元していこうとする研究が主流になるようで、うまくいかないのはそこに理由があるのではないかとも思われます。意識を生むのは脳のどの部位なのか、という研究を進めても、意識の正体がわかるとは思えないなあ、と。

 

私の拙い経験から想像するのは、意識はある種の独自の空間に存在していて、それが完全発露することをなぜか実在の精神肉体が阻んでいる。私たちは意識の次元でとても多くのことを知っているにもかかわらず、それが簡単には自覚というかその知識の利用ができないような作用が我が個体に内在されていて、普段の生活では通りいっぺんの浅い思考しかできない。

 

ところが、ある種の病に冒されたり、疲労困憊したり、それまで築いてきた思考の枠組みを揺るがすような体験をすると、静止弁が外れて本来の思考が「降りて」くることがある。ノーベル賞を引き合いに出すなら、そのアイデアがどのような状態で生み出されたのかが重要で、大抵は行き詰まって疲労困憊して、もうダメだと諦めそうな時にフッと来るようだし。病ということでいえば、何度か引用したジュリアン・ジェインズが古代の巫女は今で言えば統合失調症ではないかとの仮説を出していました。頭がおかしいと周囲に思われる人たちが、何らかの信号を受け取るという。それは、私の考えるある種の意識空間からくるものだと思われます。

 

おそらく、意識の空間にある情報は、それを知ってしまうと人間社会を破滅させるような内容を含んでいるのではないかと想像を膨らませます。そうでなければ、ここまで普段ブロックされている理由がわからない。

 

そしてさらに言えば、人間はいかに独創的だと言っても、それが明らかにされた時にはシェアすることは意外に簡単なわけで、同じ意識空間を何らかの形で私たちほぼ全員が共有していることもおそらくは間違いないと思います。

 

凡人のくだらない未成熟な私見を書いてしまいました。ただノーベル賞学者も何もわからないのだから、言いたい放題できるのは現代の素人の特権かもです。

 

話は変わりますが、ナワリヌイ事件でプーチン批判高まってますね。選挙前の揺さぶりでしょうか。ロシアがなかなか死因を発表しない点に注目です。