20240211 タッカー・カールソンのプーチン大統領インタビュー

三連休だし、再視聴。色んな意味で考えさせられるとても重要な「事件」だろうと思います。おそらく二人とも、別人でしょう。でも「彼ら」はしっかりとアメリカの著名ジャーナリストと、ロシアの大統領の役を演じて、世界に一石を投じました。

 

まず第一は、プーチンは2時間、メモなしで喋れるし、相手の質問に当意即妙にしかし地雷を踏まずに(時に笑いを誘いながら)回答できる、非常に能力と知識と見識の高い政治家であることをこの動画が示したことでしょう。私は、岸田これできるかなとすら考えませんでした。用意されたメモすら読み間違える総督府幹部とは比較になりません。しかも、このプーチンの背後には、このプーチンすら駒として使う奥の院が必ずいるはずで、そこまで含めてロシア恐るべしと思います。

 

二つ目に、やはり時間をかけなければ伝えられないものがあるということを再認識させられませんでしたか。冒頭30分、プーチンはしつこくロシアとウクライナの歴史を語りました。内容を理解することは簡単ではありませんが、ロシアがウクライナに侵攻したことにはとても複雑な背景があることは伝わってきたし、それを理解するには相当の努力が必要だということもわかった。一方で、西側政治家メディアそして大衆はどうだったかと言えば、ロシアがいきなり一方的にウクライナに攻め込んだ、戦争はいけない、ウクライナ頑張れ、ウクライナを支持しよう。その程度の話だったではないでしょうか。浅い。ほぼ、条件反射で動いている感じですね。なぜロシアがそうしたのか、その背景に何があるのか、きちんと説明する人をメディア上でも政界でもみたことがないし、それを求めた一般個人もほとんどいない。私の勤め先では、侵攻直後にウクライナ義援基金の話が役員から出されてましたよ。

 

そう思うと、時間をかけてきっちり理解するという行動様式は、今の日本では流行らないですね。むしろ忌避されている。コロナだと言えば怖がる、ワクチン効くぞと言われれば打つ。結局、条件反射重視で(ていうかそれだけで)動いていると、まあ騙されるというか、いい結果にはならないっていうことを、この数年で私たちは学べたはずなんだけど。

 

ロシアはNATOに加盟できるかとプーチンが聞いたらクリントンがそりゃ無理だと答えたとか、ミンスク合意は守られると信じていたと後悔してみせるとか、味わい深い場面は幾つもありましたが、一番の印象は、ああこの人は思索と勉強の時間を持っているんだなと感じられたことです。

 

こんな形で、一国の指導者の実像が知られるのはとても有益だと感じました。誰か、それこそタッカーには、次は習近平に2時間インタビューしてほしい。台湾や日本についてどう考えているか、直接質問してみたらいい。岸田でもいいぞ。やりたいことはなんなのか、直接話させてみればいい。バイデンでもいいよ。ちゃんとホワイトハウスにいるのか聞いてみたらいい。

 

あと、私たち国民は、条件反射しないように心がけるといい。それだけで、世界はずいぶん違ってくると思う。