20230729 事件の核心

木原妻殺人疑惑事件を担当していたが昨年警視庁を退職したという方が昨日文芸春秋社で記者会見を開いた。週刊文集に載せた記事に関連して質問に答えるというものだった。自分も40分ほど視聴した。

 

まず驚いたのは東京新聞読売新聞朝日新聞などの記者の質問レベルが低い、低すぎること。ああ、これじゃあまともな報道ができないのも仕方ないなと。そのくせ、時間ばかりとる。記事に書いてあることを蒸し返して聞くな。質問したければよく下調べしてきて、簡潔に聞け。そういう教育は、ないんだろう。

 

元刑事の方の答弁は非常に立派で、政治のことはよく知らないとか、弁えた発言も多々あり、非常に良く訓練された、能力の高い人だと思った。

 

そんな人がなぜ、記者会見など開いたかについて、本人の説明によれば、露木警察庁長官が「あの件は事件性がない」と発言したことによるのだという。現場で調査に当たっていた立場からは、木原妻の元夫が死亡した現場に自殺を示唆する物証は何一つなかったと。自殺の物証とは遺書とからしい。そういうものが一切ないから、これを自殺と見ることはできない。したがって、他殺という前提で操作を進めなくてはならない。これは、操作する立場の者にとっては常識だというのだ。

 

それが、組織トップによっていきなり「事件性はない」とされた。このことに心底、憤って今活動しているとの動機説明である。

 

ああ、そういうことか。この事件の本質は、木原個人がどうのこうのという話ではない。現場が懸命に調査して真実を追求した経緯や結果やそこから示唆される構図など、組織トップにとってはどうても良いことというか、組織トップはそんな者には興味がなくて、どこかから下される指示に従って動くだけなんだということが国民の目の前で暴露される、その点こそが重要だったのだろうと思う。

 

ビッグモーターもまあ似ているといえば似ている。トップはとにかくどんなことをやっても売り上げを上ろ利益を出せという指示をしているに違いない。指示はしていなかったとしても、芳しくない数字を上げれば叱責されたり降格させられたりするのだから、目的のためには手段を選ばない現場が出来上がるだろう。その通りに動いて保険金もたくさん背占め、店舗の前の植樹も切りさった部下一同は、褒められるかと思いきや、トップに「俺は知らなかった。とんでもないことだ」と言われる始末だ。

 

よくわからないが、自軍たちは安全地帯にいて、いいように真実を捻じ曲げ、責任を下に押し付け、甘い汁を吸いながら逃げ切る人々が溢れている。

 

おい日本人、お前らそんな環境にいるんだぞ、いいのか?と問うような事案が続いていると理解すればいいんだろうな。ところでこの露木という警察庁長官、安倍暗殺の際の警備体制について第三者の立場から検証した責任者らしい。

 

誰かに言われた通り揉み消しを図るプロなのかもしれない。そういう人間が組織の長になっていく。しかも警察庁である。彼には、なぜ事件性がないと判断したのか証拠を持ってこいと昨日記者会見を開いた元捜査員が言っていた。まともである。露木長官は無視するだろうがこれに応えないといけない。その際、ビッグモーターみたいに「そういう報告が上がってけきていた。自分は知らなかった」とはもはや言いにくい流れが社会的にできていると思うぞ。