20221204 優生思想

優秀な人が優秀でない人を導くという思想がある。

 

優秀な人は優秀でない人を指導できる、指導すべきだという思想がある。

 

これはもうエジプトの昔からあるのだと藤原直哉さんが言っていた。それがローマ法王庁を経由して現在に至ると。

 

この思想は奴隷制の元になるし、階級制度も作り出す。植民地主義も生み出す。全体主義さえその思想に基づくと言える。ナチスドイツの思想と行動を思い出してみよう。

 

日本は、歴史的には優生思想は根付かなかったというか生まれなかった国だと思う。士農工商とは言うものの、財力は商人が一番上でしょ。妙にバランスを取るところがあって、人と人の間に決定的な差別を作らないようにしてきた民族だと思う。

 

違和感を感じるのは福沢諭吉だ。門閥制度は親の仇と言い、天は人の上にも下にも人を作らないと言った。江戸時代も平等社会だったぞ。明治以降の方が階級社会だろ。それに福沢の設立した慶應義塾をみよ。エリート主義、自分達さえ良ければ良い、仲間うち主義、その最たる集団を作っているではないか。自分達はセレブなんだ、それも幼稚舎から入るのが偉い、中学高校大学から入ってくる慶應生は一段落ちるって言ってないか?

 

紙幣に福沢や渋沢が印刷されるのは理由のないことではない。そこでは、金銭が人の階級を決めると言うメッセージが込められている。そうでないなら赤貧洗うが如しと言われた樋口一葉を一万円札に、政商として成り上がった岩崎小彌太あたりを五百円札に使ってみろ。この世は金じゃない、というメッセージを政府が出せば少しはマシな国になるんじゃないか?

 

そういえば、ひと昔前の一万円札は聖徳太子だった。あの頃はまだよかったな。一万円札を見れば「和が尊い」と言った人の顔が出ているのだから。

 

話を戻すと優生思想はダーウィンの進化論もそうだから、近代世界に浸透していると言ってもいい。日本人ならこれを疑わないといけない。我が国には棲み分けの思想がある。

 

自分は優秀であり、優秀な人間は優秀でない人間をどうとでもして良いのだと言う思想は危険すぎる。これがあるから、無駄飯を喰らう大衆は抹殺して良いのだと言う発想が起きる。これがワクチンにつながる。

 

ああ、日本の中に、慶應の他にもあったわ。財務省。そして東大法学部。自分が優秀だと思う時点で優秀じゃないよとソクラテスなら言うだろう。