20220908 なぜ減税しない

例えばガソリン税。エネルギー価格が高騰しているならまず減税をと考えるのが筋と思うが日本政府は減税だけは絶対にやらない。ただし補助は必要だということで何をするかと言えば補助金を出すという。リッター170円のガソリンに30円とか40円の補助を出すから、安く売った事業者は申請してこいという。小売事業者がいちいち申請するのは煩雑だから、申請の取りまとめを行う申請補助事業者を決めてくれという。で、わかりましたということになって幾つかの補助事業者がせっせと安売り分の差額を集計して補助金申請しているというのだが。。。

 

店頭価格はその後も170円のままだ。ガソリン安くなりましたねという話は聞かない。値段が上がっていないというだけ。てか少し上がっている。40円の補助が出ているなら市場価格はもはや210円なのか?210円で止まっていてもう上がっていないのか?報道はない。

 

私が悪い役人だったとする。ガソリン税を減額することにメリットはない。減額せずに補助金を出すことにすれば事務手続きが発生する。それは必要経費として支出することができる。仮に申請補助事業者として公益団体が名乗りを上げれば、そしてそこが担当省庁の再就職先だったりすれば、仕事を与えることで雇用を維持することができる。それくらいまでは考えると思う。

 

このことが一般国民にはわかりにくく、悪い役人にとって大事なポイントは、事務手続きが発生するということだ。普通の人はそこまで考えない。事業者が「今月は10万円が不足しました」としかるべき書類に記入して申請すればその金額が翌月には振り込まれてくるんだろうな、というくらいのイメージだと思う。しかし「自動的」ということは世の中にはないので、書類を受け付ける窓口、内容を読み取って不備がないか確認する担当者、振込先を確認する作業、費用支出の事務処理、振込業務、等々が発生する。これはもう、必ず発生する。それは補助金支出のための経費として計上され、そこに税金を投入することは法律上全く問題ない。で、相当な雇用が発生するというわけだ。減税ならこれはない。

 

消費税も絶対に下げない。現金給付なんかやるんだったら税率を下げればいいじゃないかと思うがやらない。

 

医療もそう。患者に現金給付すればいいと思うがそれは絶対にやらない。医療保険と言いながら中身は医療補助金だから、医者に払う。患者はその分、安くサービスが受けられているということになっている。これを現物給付とかいう。

 

この仕組みはよく知られている通り医者の側に裁量の余地が生じ、課題請求が可能だ。するしないは別として論理的に可能だ。多くの町医者が会社に乗り豪邸に住み子息に継がせ他がるのはこのためだとみんな気づいている。

 

そう、補助金は利権を生む。減税は、生まない。この差を理解しておくことは重要だ。

 

しかし、今のガソリンの市場価格っていくらなんだろう。補助金の金額の適正性がよくわからない。報道してくれ。ここにも過大請求があるかもしれないぞ。