20231115 比喩の効用

数日前のニュースになるが青梅市長選で自公推薦の候補が落選。9月の立川市長選でも自民推薦候補落選、10月の都議補選(立川)でも自民候補は落選しているから、首都圏で3連敗と報道されている。他方、先週末の京都府八幡市長選では自公と立憲民主が推薦した女性候補が維新推薦の候補を破って当選というから、読みづらい面はあるが自公は嫌われ、維新はもっと嫌われてきたという見方もできるような気がする。いずれにせよ、今解散は難しいだろうし、このままの政権が続けば失政が目に見える形で続くだろうから、来年の総選挙は大変なことになるんだろうけど、これが藤原直哉氏のいうカサンドラクロスなのかもしれない。要するに、見苦しいけど、現実をもっとよく我々が理解できるようになるオペレーションということですね。

 

ところで昨日、イスラム2派を血統重視と仕組み重視と見做して比喩で理解しようとして、まあ稚拙な話ではあるんだけど、自分の中ではこれでなぜヒズボラやフーシがイランと強い関係があるのかを考える糸口ができたかなと感じているところです。そう、やはりシーア派がカギなんでしょうね。

 

人間は、比喩を通してしか理解できないと断言したのは繰り返しますがジュリアン・ジェインズ。古い知識を総動員して新しい知識のイメージを頭に入れ込む作業を助けるのが比喩。

 

忘れられない比喩があります。もう10年以上前かな、ブルータスだかPenだったか、忘れましたが大人の男性用の雑誌の後ろの方に短いコラムがいくつか出てますよね。そこで007の新作(当時)について書いている人がいました。曰く、ジェームズ・ボンドは知力体力に優れ、ピンチに強く仕事ができる。なのになぜいつまで経っても部下もいない、下働きに留まっているのかと疑問を投げかけ、いきなり英国論に飛躍。要するに世界を牛耳っている番頭はアメリカだがイギリスは旦那なんだと。旦那の世界では、その他大勢はみんな使用人なんだと。

 

意味はわからなかったけれどもイギリスが旦那、アメリカが番頭というイメージは強烈に頭に残りました。これが比喩のパワー。想像力も刺激されて、じゃあ日本は丁稚かな、などと考えたりもした。

 

一つの面白い冗談かと思っていたがこういう記憶はなかなか薄れません。そしてかなりの時間が経って今日に至るわけですが、なんとアメリカ合衆国連邦政府はイギリスを大株主とする企業体である。それは1871法で明記されている。要するに南北戦争で金欠になりイギリスに買い取られてしまったのだと。こういう驚きの事実?が語られるようになってきました。そうか、やっぱり旦那はイギリスだったのかと思わないでもない。番頭が勝手に暴れている部分もあるでしょうが、大きな構図は旦那番頭丁稚理論で間違ってないのかもしれない。

 

あの記事、切り抜いておくべきだったな。書いた人は相当、鋭い人物に違いないから。