20241028 日本メディアの大本営化

昨日の日経朝刊1面「イスラエル、イランに反撃」「「軍事施設に『精緻な攻撃』」「『目標を達成』声明」。これだけ見ればイスラエルは余裕綽々で、小癪なイランに少しだけお仕置きをしてやった、みたいな受け取り方をしてしまいますかね。記事を読み進んでいくとイラン側の死者は4人だそうです。

 

本日の日経朝刊14面。「イラン、再攻撃を『留保』」「対イスラエル代理勢力弱まり」「有効な対抗手段乏しく」つまりヒズボラハマスも弱体化してしまったから迂闊にイスラエルに反撃すれば手痛いしっぺ返しを食うことになるため、イランはびびって反撃しない模様、ということでしょう。

 

ネット上の風景は全く違っていて、英語やアラビア語イスラエルの報道などを読めるらしい人たちの投稿によれば、イスラエルは攻撃前にイランに対して「今回はちょっとだけ攻撃するけど報復しないでくれ」と第三者を通じて伝えていたとか、イスラエルのミサイルはイランの防空システムに悉く遮断され着弾しなかったとか、陸戦に弱いイスラエル軍は連戦連敗でガザ北部やレバノン南部とイスラエル国内を救急ヘリが盛んに往復しているとか、すでにこの2つの戦場からは撤退が始まっているとか、ネタニヤフ(自宅がドローン襲撃を受けた)は地下壕に篭ってしまったなどの話が紹介されています。

 

しかし作戦会議で困ったような顔をしているネタニヤフやギャラントの写真や、地下壕に駆け込むネタニヤフを後ろから撮った動画が出回っているのを見ると(なぜ、誰が撮影して投稿?)、イスラエル有利なのか不利なのか、ますます判然としなくなってきます。あるのは訳のわからないプロパガンダと情報の混乱だけのように思われてきます。

 

その中で、日本語の情報しかあたれない私に明白なのは、日経をはじめとする日本メディアが一貫してイスラエル側に立ち、あたかも大本営発表かというような情報の発信(少なくとも見出しと小見出しはそう)を延々と続けていることで、逆にこのことから、イスラエルは相当に敗色が濃いのではないかとの感想を持ちます。

 

並行してBRICSが国際会議を開いて、何十カ国もが参加してきた、国連事務総長も来たぞとネットで話題になっています。国内メディアはほとんど報じません。だからBRICSは本当に力を伸ばしているのかなと思ってしまいそうですが、あれはどうも脱ドル仲間みたいですね。で、大丈夫なのかと思って検索してみるとロシア国債の利率が最近、急上昇していて今は20%だそうです。BRICS屋台骨のロシアですが、やはり戦費が負担なのでしょう。誰に引き受けてもらっているのか知りませんが、結局、戦争って金貸ししか勝たない世界というところがあります。勢いはいいけど買っても長いこと苦しいと思います。

 

ということで、真実は既存メディアの中にもネット情報の中にもないというか、複眼的に見ていかないと(見ていったとしても)なかなかわからないものだなあと。でも世界がこうなってくると、国政選挙以上に我々の将来に大きな影響を与えそうですから、ちゃんと見ていかないといけないとは思います。