偽ユダヤ人というか、東欧出身のユダヤ教徒というか、第十三氏族というか、シオニズムはユダヤ教徒ではないという考え方からすればもはやなんと呼んでいいかわからなくなる変な存在のイスラエル国民とりわけその指導者層ですが、その出自がハザール(王国)であるという説を信じて、ではハザールとは何なのか。
私は理系で世界史なんか全く勉強してませんが、情報はネットで豊富に取れます。ハザール王国は6〜7世紀に成立したトルコ系遊牧民族国家だそうです。王様は可汗(カガン)と呼ばれたと。この国に、ユダヤ商人たちがユダヤ教を伝えた。8世紀の初めにブランという王侯がユダヤ教の長所を認めてこれを公に王国の宗教と決めた。シナゴーグが建設され、外国のユダヤ教学者が招かれ、庶民の間にもユダヤ教が広まった。10世紀半ばにキエフ公国がこの国に侵入して占領が進み、11世紀初めにロシアとビザンツ帝国の同盟軍に敗れて王国は滅亡した、とあります。
国としては滅んだが、ユダヤ教に改宗した多くの国民がロシアやキエフ(現ウクライナ)に残った。それがロシアにユダヤ教徒が多い原因。ロシア内のユダヤ教徒は19世紀末の帝政ロシアで迫害され、これがシオニズム運動を生む一つの理由となり、第二次大戦後に建国されたイスラエルにはロシアから多くのユダヤ教徒が移り住んだ、ということのようです。
私は、彼らの起源が遊牧民である(とされている)ことに関心を惹かれます。ユーラシアにおける遊牧民の歴史は紀元前のスキタイ、匈奴、烏孫、月氏などに始まり、世界帝国を作ったモンゴル(タタール)など幾多の名称が知られています。モンゴル系、チベット系、トルコ系、ツングース系など、さまざまな人種があるようです。その生活様式ですが、国家の3要素と言われる国土、国民、主権のうち、国土をいう概念がありません。渡鳥みたいなもので、羊の大群を連れて西へ東へと移動します。
問題は食糧で、基本は羊の乳を飲み、その肉を捌いて食することで成り立っているといいます。夏は乳、冬は肉という大まかな季節性があるそうです。冬にさばいた羊肉は乾燥させたり塩漬けにしたり冷凍させたりして通年の利用に供します。内臓は傷みが速いのですぐに食用とし、乾燥させるのは血抜きした赤身や脂身だそうです。遊牧民族の男子は四つ足動物が捌けないと一人前とはみなされず、10歳くらいから大人の作業を見てその技術を身につけていくのだとか。男子は全員屠殺技術者な訳ですね。部族全員が生存できるように、捌いても良い羊の個体数は家族ごとに割り当てられるのだといいます。屠った動物は、毛皮はもちろん、内臓も肉も骨も余すところなく利用するそうです。以上は酪農学園大学の石井智美教授が書いているものを参考にしました。
どうでしょう。資源管理に熱心な一方で、哺乳類を平気で切り刻む心性はこんなところから来て居るのかもしれないなと思いませんか。また、国土の概念が薄く、世界のどこにでも進出していって、平気で荒らしていく性向も、イギリスなどの海賊や、アメリカ移住白人の西部開拓なんかに通じるものがあるような気がします。
陰謀論界隈ではタルタリア文明(タタール≒韃靼)が脚光を浴びていますが、私は遊牧民がフリーエネルギーを利用するインフラ(土地に根ざす)を作るようには思えません。あれはおそらく別人種ではないかと訝っています。
さらに言えば日本では、蘇我氏(ペルシャ系と言われる)が倒れたのちに天武天皇が肉食を禁止し、江戸時代末期までそれは禁忌として続きました。日本人の中には、大陸の遊牧民の心性とは相容れないものがあるのかもしれないと考えさせられます。それもあって、我々にはイスラエルや、彼らが代表するアシュケナージの人々の考えや行動が理解できにくいのかもしれません。