20240803 ウクライナが対外債務支払いを停止

Zero Hedgeというニュースサイトに8月1日付でアップされました。藤原直哉さんがXで紹介しています。

 

記事の内容は、ロイター記事を引用する形で、ゼレンスキーが8月1日以降の対外債務支払いを延期できる法案に署名したことを紹介するもの。ウクライナの対外債務の総額は私には把握できませんでしたが、同記事の中には200億ドル(約3兆円)の債務のリストラクチャーが債権者との間で行われたと書いてありますから、その水準なのでしょう。

 

これに先立つ1週間前、Fitchという民間格付け会社ウクライナの外貨建て長期債務不履行格付け(多分返してくれないであろうリスクの評価)をそれまでのCCから一ランク下げてCにしたということも書かれています。

 

戦争が長引けば国が破産するリスクは高まるって、みんなわかってただろう、と記者は書いています。

 

これは日本にも関係していて、スプートニクのちょっと古い記事(2023年7月2日)によれば、日本はウクライナ債務不履行に陥った場合には保証人として、国際復興開発銀行(IBRD)が被った損失を、利子を含めて全て負担するのだそうです。IBRDの対ウクライナ有志は複数回行われているようで、日本政府がいったいいくらの債務保証をさせられているのかはよくわかりませんが、おそらく数千億円を下らないでしょう。

 

元々戦争当事国への融資は法律で禁じられていたのに、日本政府は2023年春に法改正してこれを可能にしたということです。JBIC国際協力銀行)のウェブサイトには、この法改正によってようやくIBRDへの保証が可能になったと、事態の進展を喜ぶニュアンスで書いてあります。狂ってますね。

 

JBICはIBRDへの保証だけでは飽き足らないのか、別の方法はないのかと検討し、ポーランド開発銀行が自ら立ち上げたウクライナ支援基金への資金提供のために発行するサムライボンド(日本での円建て債権発行)も保証することになった、これは画期的な案である、広島のサミットに間に合ってよかった、などと自画自賛しています。馬鹿ですね。

 

ウクライナが対外債務を返済できる可能性はほぼゼロでしょう。そもそも国自体が存続するのかすら怪しい。日本政府は債務保証したウクライナに代わってIBRDに何千億円も払いますという話を大っぴらには言わないかもしれないけれども、多分そうなりますから、気づいた人が声を上げて、これまた自民党、G7、国際機関などへの不信感を高める一つの大きなイシューになるだろうなと思って見ています。意外と近いうちにね。