20230522 G7善側的視点に感じる違和感

保有国の首脳が集まって、原爆資料館や慰霊塔を訪れることは被爆者たちへの冒涜だというインタビュー動画を見た。スプートニクだからロシア側なんだろう。話していたのは広島の人である。

 

ああ、その視点はなかった。

 

その発言を理解するために、代わりのストーリーを考えてみた。

 

私が一家で何か商売をやっていたとしましょう。旅館でも蕎麦屋でもなんでもいいや。それを、隣町の大きな暴力団にお前のところは地域全体がいうこと聞かないから見せしめにお前の店をぶっ壊してやると言われて、実際に「新兵器」で一瞬で叩き潰され、私以外はみんな死んでしまったとしましょう。その暴力団は、自分達が悪いんじゃない、悪いのはいうことを聞かなかったお前たちだ、ということにして、そのような文面の碑を建てさせた。

 

その隣町の暴力団には、同じ暴力団の仲間がいて、互いに仲良し組合を作っている。「新兵器」はあまりにも危険なので、その仲良し組合の中ではお互いに使わないことにしようねと言い合っている。ところがその仲良し組合に入っていない、別の大きな暴力団がその「新兵器」を使うぞと言いかねない状況になってきたので、慌てて仲良し組合は「新兵器」でぶっ壊された街で集まって、かつて「新兵器」で皆殺しにされた人々に哀悼の意を捧げ、新しいビジョンを発表しますと言って、「新兵器」を使う可能性がある別の暴力団を名指しで大批判している。

 

こんな感じかな。

 

確かに、偽善的だし、自分達は核を支えう状態にしておきたい、ロシアには使わせない、そんな策略の中で広島が利用されていると思えば、まあ実際そうなんだろうと思うが、被爆者に感情移入する人たちからすればたまらんだろうな、そう思うことはできる。

 

何度も慰霊碑がTV画面に映し出されて、非常に気になったのは「過ちは二度と繰り返しませんから」という、刻まれた碑文。主語は誰だ。アメリカか?過ちとは何か。原爆を使用したことか?違うんだよな。過ちを犯したのは日本人だ。そういうことになっている。その過ちとは何か。アジアを侵略したことだ。そういうことになっている。

 

このロジックは社会的にはものすごく強力だ。「アメリカ」の存在感が実は最大なのにこのロジックはうまーくその存在を消し込んでいるからだ。ワクチンを打つような善男善女は、ロジックは与えられるものだと思っているから、これをあっさり信じる。ああ70年前からそうだったんだなと思う他ない。

 

国際法では民間人殺害は違法である。大量虐殺である東京大空襲や広島長崎原爆投下は違法である。法を犯したのは他でもないアメリカ合衆国だ。そのアメリカ合衆国が参加しているG7が集まり、ロシアの力による現状変更は認められない、「法の支配」に基づく自由な国際社会を守り抜くと宣言している。

 

茶番だよ、やっぱり。