20230331 人は何に騙されるのか

たとえばワクチンをすんなり打ったりとか、プーチンは悪いやつだとか疑問も持たずに信じたりとか。

 

これ、よく考えるととんでもないことだよなと思う。

 

日常生活で痛感するが、人は他人の言うことを信じない。他人の言うことに従わない。これが普通だと言う感覚がある。職場で、上司の言うことをすぐに心から信じて従う人なんていないでしょ。親の言うことをその通りだ、従うべきだと思う子供もいないでしょ。

 

なのに「彼ら」(日本人の8割から9割)は、コロナが怖いと言われれば怖いと信じ、ワクチンが効くぞと言われれば効くんだと信じ、ウクライナはかわいそうだと言われればロシアを憎む。そこに精神的葛藤とか情報の精査とかの形跡はみられない。言われれば信じる。まるで催眠術にでもかかったように、簡単に信じる。

 

似たようなことが先の戦時下であったと聞く。大本営発表を日本国民全員が信じていた、そして騙されたと後で知ったと。これには異説もあり、庶民は実は大本営発表を眉唾と感じており(自分の親族が多く戦死していたりする)、終戦後は真の情報がやっと表に出てきたかと思ったと言うような。とはいえGHQの新しい言論統制が実は始まっていたと言うことなんだろうけれども。

 

私が自分の周囲で起きていることを、自分なりに務めて冷静に観察していて思うのは、「彼ら」は顔の見える個人、自分の知っている個人、要するに知人とか知り合いの言うことは話半分で聞いている。何か言われても容易に信じない。それはなぜかというと、相手のことをよく知っていると思っていて、この人よりは自分の方が優秀だと言う感じがあれば、もう相手の言うことなんか聞かないのである。一方で、実際に接していて、この人はすごい!と言う感覚に囚われてしまうと、その人の言うことはなんでも聞くようになる。でもそんな関係性は世の中ではほとんど見られない。

 

「彼ら」は、一方では自分の知らない人、たとえば権威としてテレビに出てきたり、新聞雑誌に寄稿したりする人たちに対してはガードが緩い。ああ、テレビに出るくらい優秀な先生なんだ、と思うのかどうか知らないけれども、とにかく簡単に信じてしまう傾向があるように思う。どうも「テレビに出ている」ことが重要らしい。忽那の人相を見てみろと私なら思うが「彼ら」はそうは思わないらしい。

 

もはやハーメルンの笛吹きである。テレビで偉い人が言っていたから信じる、という。

 

西郷隆盛の考えを庄内藩士が整理した書物があるが、そこでは「人間は徳のある人2割、小人が8割だ」とはっきり書いてある。小人は自ら判断することができない。だから徳のある人が頑張らないといけない、とのこと。西郷隆盛がそう言っている。小人は、自ら判断することはできないんだけれども、身近な人の意見には従わない特性も持っているようだ。

 

だから徳のある人が頑張らないといけないんだろうけれども、現代の小人は権威の有無をテレビ新聞に出ているか否かで判断する。悪人にとっては大衆操作しやすい時代といえる。

 

こんな中で、トランプ一派が真実を公表すると、どうなるのだろうか。悪いことではないと思いますけど。