20230213 意地悪は死なず

このタイトルは本の題名で、著者は山本夏彦山本七平。文春文庫で多分まだ出ている。

 

人には意地悪ゴコロがある。自分が優位なポジションを得たと感得した瞬間にそれは顕在化というか爆発する。

 

戦前は、軍隊の中で序列があり、上官の命令を部下は全て聞かなければならなかった情感は圧倒的優位な立場にあることを自覚し、ありとあらゆる意地悪を行ったという。

 

家族制度健在なりし頃は、嫁と姑の間にこの関係があった。姑は嫁に対して圧倒的優位な立場にあるというフィクションが生きていたので、姑はありとあらゆる方法で嫁をいじめ抜いたという。

 

高校や大学の運動部、体育会にもこの序列があった。上級生は下級生に対して圧倒的優位な立場にあるというフィクションが生きていたので、上級生は下級生に対してありとあらゆる手段で意地悪したという。

 

いくら言っても学校でイジメがなくならないのは、意地悪ゴコロが人間の幼少期からあることを示しているように思われてならない。

 

会社の中だってそんなものである。新入社員はいじめ抜かれていた。入社したらいきなり花見の場所を確保しろ。いい場所でなければ罵倒される。

 

ワンマン社長は、嫌ならやめていいんだぞ、と平気でいう。食わしてやっているのは俺だ、というフィクションが生きているからだ。でも言っていることは意地悪以外の何者でもない。

 

もともと根っこが意地悪だということだろうから、意地悪はあらゆる機会を狙って表に出ようとする。戦争が始まれば愛国婦人会。パーマをかけた若い女性を非国民となじる。正義は戦争を真面目に支援する自分達にあるのだ、こんな非常時に自分のオシャレなんか考えている若い女性は許せん、と言って良いと思っていたのだろう。

 

結局、マスクもワクチンも「意地悪は死なず」ではなかったのか。

 

マスクとワクチンは正義だと政府が言った。医者が言った。自治体が言った。やれ正義は我にありと、意地悪ゴコロを持った人々は沸き立った。この正義を振りかざせば、マスクしない人、ワクチン打たない人に対して存分に意地悪することができる。その快感を求めた人たちがいなかったとは思えない。なぜなら、「意地悪は死なず」だからだ。

 

反ワクチンを罵倒してきた人々は、たぶん基本的に意地悪ゴコロを持っている。ワクチンが毒だと判明してきた。焦っていることだろう。これは、神様が、もう意地悪はやめなさい、と注意しているのかもしれないぞ。