20230210 最後の防波堤はマスメディアか

ノルドストリームはロシアから天然ガスをドイツなどEUに輸送する通り道のパイプラインで、それが昨年末か、何者かによって爆破されたことがニュースに出た。

 

マスメディアは、これはロシアによるものだろうと言い始めて、その後にそのような見方はだんだんと消えてしまったが、まあ無理がある。

 

ロシアは右クリアながロシア系住民を蹂躙してきたこと、その程度が甚だ大きかったこと、またゴルバチョフエリツィンの時代からNATOの東方拡大はしないように西側に厳しく申し入れ、それを西側も一応は承諾したかのように振る舞いながら実質的にウクライナの親露政権を転覆させてNATO陣営の領地拡大を図ろうとしたことなどから、ある意味でやむなく進出したというのが正しい整理だと思う。だから、ウクライナには侵入したがNATOそれ事態との関係は維持している。EU諸国へのエネルギー供給も止めていない。外貨収入元でもあるし、積極的にドイツ党へのエネルギー供給を断つ動機がないのである。

 

EUも、ウクライナが攻め込まれるのは仕方がないとしても、それにロシアが怒って、背後にいるEU諸国へのロシアからのエネルギー供給が絶たれることは想定したくない。そんなことが起きては困るというのが本音で、だからウクライナへの援助もロシアへの制裁も、掛け声は勇ましいが実は抑制的だ。

 

ノルドストリームが破壊された時、最も利益を得る可能性があると考えられるのは実はアメリカだという指摘は事件当時からあった。スウェーデンデンマークかな、ロシアが求めた爆破状態の調査に非協力的な姿勢を示した。アメリカは、ロシアからEUへのエネルギー供給が細れば、自国のシェールオイルなどを代わりに供給できるビジネス機会が出現すると見ているらしい。

 

薄々、そうじゃないかと考える人が一定数出てきたあたりからピタッと報道が止まった。この事件は、謎の事象として歴史の闇に葬られるところだった。ところが数ヶ月経って、最近、明らかにこれはCIAの策謀だとするジャーナリストが「アメリカで」出現して話題を集めているようだ。ハーシュという人で、ベトナム戦争の時にソンミ村虐殺事件を暴いた当人らしい。もう90歳近いのかな。

 

とはいうものの、自分はこれをネット上で把握したがマスコミは一切報じない。

 

マスメディアは、何かを守るために必死に防波堤の役割を果たしているようだ。いいじゃないか、アメリカでこういう人が出てきた、というのも一つのニュースだろう。誰も載せないっておかしくないか。

 

マスメディアで働く人々はさぞかし良心の呵責に責められているだろうと、考える人はいるかもしれないがそれも違うかなと自分は思う。会社の方針が決まっていれば、それに従うことで精神的な安寧を得る人が大半だろう。真実を報道すべきだ、などという野暮な社員は元々大会社には入っていないはずだ。マスメディアは潰れるまで嘘を報道し続けるし、社員は会社の方針に従って嘘の記事を発信し続ける。そう思っておいた方がいい。まあいずれ潰れるだろう。

 

だから、今、正しく情報を得る段取りとしては、まずネットで玉石混交の情報の山を一覧し、次に信用できそうな個人名で発信している評論家等の意見を確認し、並行して大会社ではないメディアの報道内容をおさえた上で、「今、何をどこまで行っていいということになっているのか」の相場観を掴んだ上でマスメディアの報道内容に目を通す。そんな感じになるんだろうなと思ってる。