20221014 戦争は陸上だけではない

ロシアとウクライナの戦況は実はよくわからない。なんでこれだけ情報技術が発達した21世紀に、2国間の戦争の有様が全くわからないのかといえば情報が統制されているからなんだろう。

 

ロシア兵の死者数は五千人だとロシア政府はいうが西側メディアは9万人説を流している。20倍も違う。で、どっちが本当か判断する決め手もない。どっちが優勢なのかもわからない。ただ、明らかなのはロシアはその気になればいつでもやれるということだ。クリミアの橋が爆破された後のウクライナ各地へのミサイル攻撃を見れば、プーチンの判断次第でキエフはすぐに壊滅させられるんだろうなと分かる。でもそれはやらない。戦争を長引かせている感じがある。

 

なぜか。欧米の自滅を待っているのではないか。ドイツはもうダメだろう。ロシアからのガスをアメリカに止められて(パイプライン破壊)、冬を越すためのエネルギーがない。

 

アメリカももうダメだろう。パウエルが金利を上げ続ける。レバレッジを効かせた金融商品の多くが破裂する。溶ける。しかし資源を抑えられていて、サウジもロシア側に寄ったからインフレが止められない。利上げを続けるしかない。

 

要するに、ウクライナからサーっと引いて世界を見ると、実戦は全体の中では一つのピースに過ぎないのだ。実戦であれこれやって長引いているうちに、西側、特に英米だけれども、の経済はどんどん崩壊に向かっている。

 

そう考えると、プーチン核兵器を使う必要がないのではないか。通常兵器で押したり引いたりしながら一冬越して欧州経済を壊滅させ、1年過ぎて米経済を破裂させれば嘘で固めた西側帝国の支配を終わらせるという目的はかなり達成されたことになる。ウクライナ相手に核で勝ったってそうはいかない。

 

むしろプーチンの頭の中では、単に経済を破壊するだけで西側諸国の体制は本当に変わるんだろうかというところまで考えているような気がする。例えばアメリカでブラックロックとかゴールドマンサックスとかが破綻するとしよう。でも一段落したら次のが出てきて、再び金融メディア軍事複合支配が始まるのではないか。

 

それを阻止するには、何が必要か。

 

内国政治、国民の覚醒、司法の独立性、政府の機能縮小、等々は思いつく。一番大きいのは国民の覚醒なんだろうな。ということは、この自分も含めて、ロシアの情報戦略に巻き込まれている可能性はなしとしない。