最近のボンド映画の中で、主人公がローマの街に彷徨いこみ、何か地下組織らしき集団の会議を2階の回廊から垣間見るシーンがあった。ま、あり得ない設定だと思うが映画だから。会議の中で、おそらく何らかのミッションが不首尾に終わった男が弁明を始める。次のチャンスをくれ、今度は絶対だと自信たっぷりに主張する。暗くて顔がわからない議長みたいな老人がちょっと指示を出すとプロレスラーみたいな男がゆっくりと近寄ってきて、その失敗した男の両岸に親指を突っ込み、強く抉る。失敗した男は絶叫して当然ながら眼球を潰され、床をのたうつ。

 

これが地下組織の統率原理だよ、という説明シーンだ。

 

怖いなあ。こんな組織には関わりたくないなあ。日本でも東映のヤクザ映画などでは粗相をして所属組織に迷惑をかけた構成員は小指の先を切り落としたりするシーンが出てくる。似たようなものか。でも日本人は目玉を潰すとかいう発想はないような気がする。

 

国会議員はなんで皆さんワクチンを推進するのだろうと不思議に思うけれども、想像だけど、裏切ったらこうだからな、というような裏があるのかもしれない。ないのかもしれないけど。

 

ところでヤクザ映画のような、粗相をしたら指を失うようなルールの中で生きるのはサラリーマンの数百倍の緊張感だろう。自分だったらまずそんな中に入りたいとは思わないけど、あくまで映画の中でですが、それなりに自由意志で参加して、生きがいを持って組織に尽くしている人がいるのだろうという感じもする。その不可解を説明するために、彼らには他に居場所がないのだという説明が加えられることがある。いわゆる一般社会に何らかの理由で同化できない人たち。

 

ボンド映画の地下組織の場合は若干違った文化を感じるところがあり、一緒に儲ける、という点でつながっているように見える。別に、社会から爪弾きにされた同類で集まっているというふうでもない。