記録と記憶の中の50年代、60年代。二次大戦が終わって25年間くらい。今とは全く違う世界があった。

 

とにかく空が広かった。

 

米ソ冷戦はあり中国は文化大革命で大混乱だったが、西側世界は伸び伸びとしていた。

 

例えば007映画の変遷を考えれば時代の空気感が伝わってくると思う。ショーン・コネリーの時代はまあコメディ映画である。0011ナポレオンソロなどと共通する緩さがあった。これが60年代だ。

 

ダニエル・クレイグの007。暗い。メカニックは恐ろしく進んだが、とにかく笑いがない。余裕がない。これが2000年代だ。

 

くらい空気感はローマクラブから始まったかな。成長の限界。人間はなあ、有限な地球の上では無限に人口を増やすわけにはいかねえんだぞ、とその書籍は主張した。言ってることはそうだけど、暗い。70年代にオイルショックがあって、ああ確かにそうかもねと多くの人が考えるようになった。環境破壊をするな、温暖化を防げ、バブルなんて許さない。それが20世紀末だった。

 

21世紀になったらデロが起きるから空港のチェックでは靴下まで脱げ、ビルに入るにはセキュリティカードを示せ、個人情報だから卒業生名簿や社員名簿は作るな、となった。駅や路上でタバコを吸うな、マンションで犬猫を飼うな、テレビで裸を出すな、マイノリティを差別するな、マイナンバーカードを持て、外国人に参政権を与えろ等々、ありとあらゆる方面から規制やら締め付けやらがキツくなってきている。そう、50年代60年代にはこういうものが全てなかったのだ。

 

さて人類社会は幸福度を上げてきているのでしょうか???