なぜこの現実世界で人は調和的に生きられないのか考えると、人の持つある種の性向が邪魔しているとしか思えない部分がある。

 

例えば会社の中には調和的に生きようとしている人がたくさんいるんだけれども、一部に人を出し抜いてでも上に行きたいという人がいる。何人かに一人は必ずいる。

 

いざ相続となると仲が良かった兄弟姉妹がいがみ合う。少しでも多くもらおうと喧嘩を始める。終わってからは口も聞かなくなる。

 

他人に対する支配欲が強い人もいる。パワハラ気質の人もいる。すぐ暴力を振るう人もいる。

 

普通に生きて普通に他人と接していればそんなに問題は起きないと思ったりもするのだが、現実は違う。普通に生きられない人、普通に他人と接することができない人が必ずいる。

 

動物の世界は必ずしもそうではなさそうだ。まして植物は。人間以外の生命体は、ただただ生きてただただ死んでいく。人間は、ジュリアン・ジェインズによれば3千年前から「意識」を獲得したということだが、それが仇になって次元上昇ができなくなっているようだ。

 

意識を消し去って「ただ生きる」境地に達しようとするのが禅だと認識している。しかし禅はあくまで個人世界だ。ひとり悟りを開いてもその人以外は覚醒しない。覚醒は伝播しない。

 

おそらくアセンションは大乗的な形での悟り、集団覚醒を求めているのだろう。それはいかにして成し遂げられるか。

 

今進行中の事態を見るに、支配被支配の関係やいがみ合いというものがいかにくだらないか、いかに迷惑なものかを世界中が認識しつつあるという意味で、集団的な悟りに近づいているようには思う。

 

これは、人類三千年の歴史の中で画期的なことではあるだろう。確かに、そういう意味で、アセンションは近づいていると感じる。